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#10 本に逃げ込む

#10 本に逃げ込む


やっぱり手が止まり、思考が止まり。

劣等感・・・。

考えすぎたら苦しいからストップしようと思っても、モヤモヤと頭の中に霧がかかるようです。

集中できないのにレジュメを見つめていても仕方がない・・・。

昨日はあきらめました。お笑いのYouTubeを見るか・・・本を読むか・・・。

YouTubeはテンションが追い付かない気がして、本に決定。
読みかけの本には、何となく手が伸びず。

友だちが貸してくれた、飯島愛さんの「PLATONIC SEX」が棚にあることを思い出しました。

テレビの中にいた愛ちゃんは、カラッとしていて優しそうでした。「愛さん」とタイプしたあとに、いや・・・「愛ちゃん」だ、と直したくなる雰囲気。

愚痴りたくもないけど辛いときに、一緒に笑ってくれそうな・・・。

随分長く借りたままになっていましたが、今回は一気に読み上げました。(前に読み始めたときは、彼女の小学校時代が辛そうすぎて早々に本を閉じてしまい、戻れないままでした。)

まっすぐさが眩しかったです。辛いながらも恐れながらも親の期待に応えようとしていた小学校時代、思い切り反発した中学校時代、本能や欲望や憧れに従って駆け抜けた時代、夢を叶えるためにした大きな決断、そこから始まった芸能生活で思ったことを素直に表現。人気も仕事もある中で引退。

ツライ出来事も満載なのですが、とても魅力的でした。「好き」と「欲しい」を掴もうとする力が本当に素敵でした。時には、好きと寂しさが混同されていることもあったりしたのですけど、それは振り返ったり、途中で気が付くことで、その時その時の気持ちのままに動いている様子は、頭でっかちな私からしたら考えられないことばかりで、ページをめくるのが止まりませんでした。

そのエネルギーはプラスからくる衝動だけではなくて、あまりにもツライ体験を重ねていたり、他にどうすることもできなかった極限状態の選択だったりもしたと思うので、変に英雄視するつもりはないのですケド。道徳的に考えたらしてはいけないこともありましたしネ(40過ぎのワタシが読む分には分かるからいいのですが)。家に帰れない若い子たちが突き進んでしまったり追い込まれてしまう世界の危険性は別の場所で語られるべきといたしまして・・・。

でもあんなに若い頃から、自分が欲するものに手を伸ばし続けた純粋さはやっぱりまぶしい・・・。

特にそれを感じたのが、六本木のホステスとして働き始めたときの部分。

自分の意志で何かに向かって一生懸命がんばれない私が、”努力”という言葉を人一倍嫌っていた私が、水を得た魚のように張り切って働いた。火に油を注ぐかのようにどんどんケバくなっていった。
遠足に行くとき浮き浮きして眠れなかったり、持っていく300円以内のおやつ、何にしようかと一生懸命考えて、前の日からリュックサックの荷物を詰めた経験。そんな楽しい記憶が蘇ってきたかと思うほど、毎日が冒険だった。六本木へと出かけることは、小学生の頃の遠足や運動会のように、うれしくてうれしくてしょうがなかった。そこには、きれいなお姉さんたちとかっこいい男たちが溢れ、私は毎晩ウカレポンチな気分だった。

ウカレポンチな気分、経験したい★。


「ニューヨーク 大好きぃ!」

「好き」に理由はいらない。瞬間的に感じるものだ。

(中略)

現実は、ため息が出るくらい陳腐で情けない。あの街に住みたい。

陳腐で情けない・・・自分のレジュメを見て感じてしまうことだったり・・・。
情けないから脱出したいときのガソリンは憧れなのかな。眩しすぎて目がくらんじゃうのよー。


私も若いときにニューヨークに行って、ワクワクした経験があります。でも大分異なる部分を見ていました。私が見たニューヨークは学校のツアーだったので「プロフェッショナル」に圧倒されるような感じの旅でした。愛ちゃんが見たニューヨークは刺激の塊というか、本で読んだだけでもショックに近い驚きに支配されてしまうような旅の記録でした。





本の最後には、愛ちゃんが見つけられなかったハートの話しが短く語られていて。

じゃじゃーんというラストではなく、それまでの目まぐるしいような波乱万丈の雰囲気もなくて、愛ちゃんは最後のページで静かに語っています。
経験してきた痛みが生易しいものではなかったことを思い出させられます。見つからないことを探すように、色んなものを手にして、それでもダメで、でも求めていたい。ホントのこと・気持ち、そのままな感じ。


platonicとsexって対局するような意味だと思うのですが、タイトルの「PLATONIC SEX」は、身も心もとけあうような・・・っていう愛とセックスのことなのかな?別々に語ることじゃなくて、1つのはずでしょっていうことなのかな。欲しかったのか、手に入れたと思ったのに消えてしまったのか。もちろん、真意も意図されたメッセージも私には分からないけど、そのタイトルには皮肉じゃなくて純粋さを感じています。


ふがいない気持ちをどうにもできなくて、本の世界に逃げ込んだ日でした。

欲しいモノを求めて疾走しているように見えた愛ちゃんも、本の中では「いつだって「今日が愉しければいい」と逃げてきた私」という表現をしていました。人がどう見えるかは、受け手の状況で変わるものですネ。

ワタシは、安定を最優先に逃げ続けてたかもしれないな。


今日も読んでくださってありがとうございます!

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最近リストラされた40代です。復活への記録になりますようにー。
どうにかお仕事をもらえて、しばらく投稿をお休みします。

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