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自民党政権ははなぜこんなにもマイナンバーカードを推すのか?

自民党政権ははなぜこんなにもマイナンバーカードを推すのか?


挨拶と、この「備忘録」サイトの目的と、そしてお願い (topview.jp)
↑全体の主旨や目的等についてまとめました(固定記事)です。初めましての方は、こちらもよろしくお願いします。

最初は「取り扱い厳重注意!」「任意」としていたはずのマイナンバーにマイナンバーカード。そして、自民党が最初に目論んでいた通り、「国民のあらゆる情報を国がいつでも確認できるように」していやろうとしています。

詐欺のようなやり方で始めようとしている

マイナンバー、年金口座からひもづけ…不同意なければ登録 : 読売新聞オンライン (yomiuri.co.jp)

日本年金機構が受給者に対し、年金の振込先を公金受取口座として登録するかどうか確認を求める文書を郵便で送る。不同意ならば登録されないが、期限までに回答がない場合は、同意したとみなして、登録される。

2023.02.10 読売新聞

今受給している人は既に登録済みでしょう。
そしてこれから年金を受給するという方にしても、1度手続きすればそれで十分なんですよね。にもかかわらず、高齢者を最初のターゲットにしたあたり、「だましやすい」とみているのでしょう。

そういう風に考えるのは「期限までに回答がない場合は同意したとみなす」としているからです。また、他の報道内容を読むと、結びつけたくないのであれば「不同意という回答を明確にしなければならない」かのようにも読めるニュースもあります。

どうしてもやりたいのであっても、「同意という回答があった人のみ結びつける」とするのが筋ではないでしょうか。

万が一郵便が届かなかったら?返答期限以内の間、何らかの事情で不在にしていたら?

これは一種の詐欺の手法ではないでしょうか。

例えば会社で契約を結ぶときのことを考えてみてください。「これこれこういう契約です、こっちで勝手に契約書作ったし、これで始めますね、はい、締結しましたよ。ダメだったら『同意しません』と明確に書面でご連絡ください。〇日までにね、よろしく」っていうやり方、通用しますかね?しませんよね。

これを、政府は堂々とやろうとしている、ということです。

コロナ給付金を理由にしているが……

新型コロナウイルス関連の給付金は、申請時に通帳のコピーを添付する必要があり、支給に時間がかかったと批判された。

2023.02.10 読売新聞

コロナ給付金をダシにしていますが、国からのコロナ給付金ってそもそも1回だけでしたよね……。また、1回目は時間がかかったとはいえ、この時にできたのですから、以降も「基本的には同じ口座に振り込みます。変更がある人は〇〇までに連絡をください」等、色々やりようはあるはずなのですね。

そうそう、アメリカではスピード感優先として、小切手という形でコロナ給付金を配布していたそうですよ。

マイナ健康保険証を持たないなら有料で資格証明書を作れ?!

マイナンバーカードを健康保険証としても使えるようにしようともしてきています。

マイナ保険証持たない人に「資格証明書」政府が調整 有料とする案も | TBS NEWS DIG

政府は紙の健康保険証を2024年秋にも原則廃止し、マイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」に一本化する方針を打ち出しています。ただ、カードを持たない人も保険診療を受けられるよう政府が「資格確認書」を発行する方向で調整していることがわかりました。

政府内にはカードの取得促進のため、この「資格確認書」を有料とすべきという意見があり、検討が続けられています。

2023.02.07 TBS NEWS

このように、現行の健康保険証を廃止し、病院に行くなら「わざわざ作れ」「有料だけどな」と、罰を与える形を示してきています。

ですが、健康保険証はそもそも、健康保険料を払っていれば誰でも「無料」で持てるものです。発行を申請しなくても、保険者(健康保険料を払っている先)が発行することを義務付けられているからです。

ところが、マイナンバーカードにしても、資格証明書にしても、「私たちが自分から申請」しなければならない仕組みになっています。(マイナンバーカードはそもそも任意ですからね)

これは「申請しなかった人のことは知りません。国はあなたのことは見捨てますからね。でも自己責任ですよ、あなたが悪いんですよ」と公言したにも等しい行為だと思っています。


それに対し、加藤厚労相が火消しに走りました。

加藤厚労相、「資格確認書」有料化に否定的 マイナ保険証代用で:時事ドットコム (jiji.com)

「政府の中で有料にすることで議論しているわけではない」と説明した。

加藤氏は会見で「保険料を納めることで保険診療を受けられるのは当然の権利。その考えにのっとれば答えはおのずと明らかだ」と述べ、有料化に否定的な見解を示した。

2023.02.10 時事ドットコム

ですが、それを信じるというのは早計でしょう。ご飯論法大好き、コロナで亡くなった人を悼むことなく「4日間というのは誤解だ」と受け取り側の問題にしてきた人でもあります。過労死問題についても、遺族がいる中嘲笑ったような人だということも、忘れてはいけないでしょうね。

また、加藤厚労相どうこうというのは抜きにしても、自民党はあらゆることに対してさんざん嘘をついてきている政党だということを、いい加減国民は受け止めなければならないと思います。

前述しましたが、マイナンバーカードって本当は「任意」という形で始められたものですからね。それを反故にしようとしていることからも、今後の流れは想像できるでしょう。

差別化としての有料化はすでに始まっている

差別化として何かを有料化するという動きはすでに始まっています。例えば初診料。これは今のところ「期間限定」のようですが……。

マイナ保険証の普及に伴い「紙の保険証」の負担増へ – マネーイズム (all-senmonka.jp)

マイナ保険証を使用して医療機関を受診すると、窓口負担が3割の方で初診の場合で6円、再診時なし、調剤薬局の利用は6カ月ごとに3円に設定されています。しかし紙の保険証を利用した場合は、初診時12円、再診時なし、調剤薬局の利用は6カ月ごとに3円の診療報酬が加算されています。

そして厚生労働省は今回、2023年4月〜12月の間で、紙の保険証を使った場合の追加負担の値上げを実施することを明らかにしました。対象期間中に紙の保険証を利用する場合は、初診・再診ともにそれぞれ6円ずつ診察報酬が値上げされます。

マイナ保険証対応病院で受診時の追加負担 現在 2023年4月~12月
従来(紙)の
健康保険証
初診時 12円 18円に値上げ
再診時 0円 6円に値上げ
マイナ保険証 初診時 6円 6円
再診時 0円 0円
※窓口負担が3割の場合

2022.12.21 マネーイズム

ちなみに、各医療機関のシステム導入代は自己負担とのことです。

露骨に差別を始めようとした自治体も

医療関連は別にしても、露骨に差別を始めて、マイナンバーカードを取得させようとしている動きをとった自治体が出てきました。例えば岡山県備前市。

給食費と引き換えに「マイナカード作れ」と市が通知 背景に見える国の強引な普及策:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

同市(※岡山県備前市)は2022年度から市立小中学校で給食費や一部の学用品費を無償化した。

23年度から「児童・生徒及びその世帯員の全員がマイナンバーカードを取得している場合、申請により納付免除」するという。

(中略)

ただ、問題は小中学校にとどまらない。同市は保育園やこども園に通うゼロ歳〜5歳の保育料や給食費も、23年度から「世帯全員のマイナカード取得」を独自の無償化の条件にする方針。ほかに農業・漁業者が対象の資材価格等高騰対策の補助金にも、同じ条件を設けた。

2023.01.19 東京新聞

つまり、マイナンバーカードを作らないのであれば、こういったものは有償にしますよ。あなたの子供には、備前市はお金をかけませんからね、てめーで頑張ってくださいってことなんです。

発端は「国」が地方交付税を盾に脅しをかけているから

なぜこのようなことが起きているのか。その発端は、やはり国側の問題です。

マイナカードの交付率を地方交付税の算定に反映させることに言及した。(中略)一部交付金について、「カード申請率が全国平均交付率以上」を応募要件とする仕組みを検討している。

2023.01.19

つまり、マイナンバーカードの普及率と地方交付税を関連づけ、自治体には強引に普及させることを働きかけているのですね。脅迫に近い形で。

このような差別待遇は憲法違反にもなるはずです。

例えば日本国憲法第92条「地方自治の本旨の確保」。ここでは、地方自治体は団体自治が認められており、国とは対等な関係なのです。決して国の下請け的な存在ではありません。
【日本国憲法第92条の解説】地方公共団体のルールの決め方について | そうだ、憲法を知ろう (nannokaisha.com)


そういったことを抜きにしても、例えば日本国憲法第25条「生存権及び国民生活の社会的進歩向上に努める国の義務」にも違反しているとも言えるでしょう。

国は、とにかく国民全体に対して国民生活を支える義務があるのです。そこに「何かを理由にして差別する」ようなことは決して認められません。

【日本国憲法第25条の解説】国はみんなが人間らしい生活をおくれるよう努力しなければならない | そうだ、憲法を知ろう (nannokaisha.com)

ところで、詳細は↑リンク先を読んでいただけたらと思いますが、実はこの第25条の改憲草案では、「生存権は国が与えてやるもの」「範囲は国が決める」という風に変えようとしています。かなり危険な改憲草案だということもちょろっと頭に片隅にでも入れておいてください。

国がここまでマイナンバーカードの普及にこだわるのはやはり利権

マイナンバーカードに関する中核システムを担っているのは(落札したのは)、以下5社です。

  • NTTコミュニケーションズ
  • NTTデータ
  • 富士通
  • NEC
  • 日立製作所

マイナンバー中枢システムはNTTコムなど「大手5社連合」が異例の落札、114億円で | 日経クロステック(xTECH) (archive.org)

ちなみにこの5社、過去にも大規模のデータ漏洩問題を起こしています。また、社員が不正に個人情報システムにアクセスし、閲覧するなんてことも起こっています。

そして、この企業自民党への献金は、やはりありました。(まぁ、これらの会社への天下りが多いのは昔から割と有名ですね。)

マイナンバー事業受注の4社 自民に2.4億円献金/09~13年 政官財の癒着浮き彫り (jcp.or.jp)

 個人情報流出の不安が現実のものとなっているマイナンバー制度で、中核システム「情報提供ネットワークシステム」を企業共同体を組んで国から無競争で受注した大手企業5社のうち4社が、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に5年間で2億4千万円を超える献金をしていたことが分かりました。
2015.11.08 しんぶん赤旗

  • 日立製作所:1億900万円
  • 富士通:6,000万円
  • NEC:5,400万円
  • NTTデータ:1,750万円

まぁ、元々自民党とのつながりが強い企業ですし、ありとあらゆる献金は昔からあったでしょうけど、ね。

献金云々は別にしても、これらの会社って住基ネットの時も受注していた企業なので、改めて「儲けさせてやる」ために始めた面も大いにあるでしょう。

その他、巨額の税金が使われている

マイナンバーカードに関しては、システムだけではなく、普及させるための広告やらあれやこれや、かかっっています。約2兆円以上の予算がかけられ(マイナポイント含む)、電通にも普及するための広告料等として150億円以上のお金が流れていることもわかっています。

また、カード発行や登録やなんやらの事業のほとんどは、パソナが請け負ってきたということも。パソナはそう、竹中平蔵です。

■マイナカード事業にかけられた予算額

第一弾:2,979億円
第二弾:1兆8,134億円

 

あとがき

運転免許証としても使えるようにしてやるという目論見もあるようですね。

他、例えば学校の成績、不登校の有無も登録させようとしている案も出ているそうです。そうすればマイナバーを照合するだけで、企業選抜に使えるでしょ?とかなんとか。ひどい世界観です。


このように、巨額税金をかけてまで、マイナポイントを与えてまで、必死で国民を釣ろうとしているのは、その裏に何があるのか。なぜあれもこれもとあらゆる個人情報を紐づけたがるのか。
そういったことを考える必要があると思います。なにしろ、あの自民党ですから。全ては「利権のため」と、そして「国民から自由を奪うため」。「戦争できる国にしようとしている」ことからも考えるべきことです。


海外だって似たようなものがある!という意見もあります。ですが、普及率の高い北欧においても、そしてアメリカや韓国等で「成りすましによる被害」が問題になっているのです。なんなら、そういった被害に対処するための保険までできた始末です。

そして、日本よりもITが進んだ国だということも、忘れてはいけないでしょう。翻って、利権ありきでポンコツシステムしか作れない日本。「何も起こらない」と、誰が言えるでしょうか。


そうそう、北欧ですが。
そもそも税金の使い方が透明化されており、政府への信用が高い国ですよね。少なくとも自民党みたいに「黒塗り連発」も、「自助!公助を求めるな!」なんてこともしませんしね。「国としての理念」が日本とは全く違うといったことも、社会保障のためだーとか言いながら海外の話を持ち出すのなら、こちらも大切なことではないでしょうか。


また、G7の一国でもあるイギリスやフランス、そしてドイツはマイナンバーのような共通番号制度は持っていません。
※ドイツは「納税者番号」、フランスは「社会保障番号」はありますが、「共通番号としては使わない」ことになっているとのこと。


最後に、全国保険医団体連合会の声明を紹介します。リンク先にて是非お読みください。
2024年秋の保険証廃止方針は撤回を – 全国保険医団体連合会 (doc-net.or.jp)


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