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1990年9月14日 「本田技研工業がNSXの国内販売を開始」

1990年9月14日 「本田技研工業がNSXの国内販売を開始」


1990年9月14日、本田技研工業(Honda)は、日本国内において革新的なスポーツカー「NSX」の販売を開始しました。この日は、日本の自動車産業にとって大きな転機となり、NSXはその卓越した性能と美しいデザインで多くの自動車ファンの心を掴みました。
 
NSXの開発は、1980年代初頭に遡ります。当時、本田技研工業はF1での成功を背景に、スポーツカー市場においてもその技術力を証明しようと決意しました。F1で培った技術と経験を市販車にフィードバックし、一般のドライバーにもその恩恵を享受してもらおうというのが主な目的でした。NSXはその結果として誕生しました。この車は単なるスポーツカーではなく、F1技術を惜しみなく投入した「究極のスポーツカー」として設計されました。
 
NSXの開発において特筆すべき点は、そのシャシーが全てアルミニウム製であったことです。これにより、車両の軽量化が実現され、高い剛性と優れたハンドリング性能が両立されました。アルミニウムシャシーは、従来のスチールシャシーに比べて約40%も軽量化されており、これがNSXの卓越した運動性能に大きく寄与しています。
 
また、エンジンは3.0リッターV6 DOHC VTECエンジンを搭載し、当時としては驚異的なパワーとレスポンスを誇りました。このエンジンは、自然吸気エンジンとしては非常に高い出力を持ち、ドライバーに爽快な走りを提供しました。VTEC技術により、低回転域から高回転域までスムーズにパワーを発揮し、どの回転数でも力強い加速を実現しています。
 
NSXはそのデザインでも注目を集めました。エアロダイナミクスを追求した流麗なボディラインは、機能美と美しさを兼ね備えており、見る者を魅了しました。特に、低く構えたフロントノーズと広がるリアフェンダーのデザインは、スポーツカーならではの力強さとエレガンスを表現しています。風洞実験を繰り返すことで、空気抵抗を最小限に抑えつつ、ダウンフォースを増加させる設計が施されています。
 
内装においても、NSXは高級感と機能性を兼ね備えています。運転席はドライバーを中心に設計されており、視認性の高いメーターや操作しやすいコントロール類が配置されています。シートには高品質なレザーが使用され、長時間のドライブでも快適に過ごすことができます。また、エルゴノミクスに基づいた設計により、ドライバーが自然な姿勢で運転できるよう工夫されています。
 
販売開始当初から、NSXは国内外で高い評価を受けました。特に、その性能とデザインは、多くの専門家やジャーナリストから「日本のスーパーカー」として絶賛されました。自動車評論家の間でも、そのバランスの取れた性能と信頼性の高さが評価されました。また、一般のドライバーたちからも、その走行性能と運転の楽しさが評価され、多くのファンを獲得しました。
 
1990年9月14日のNSXの国内販売開始は、本田技研工業にとっても、日本の自動車産業にとっても大きなマイルストーンとなりました。この日をきっかけに、NSXは世界中で愛されるスポーツカーとしての地位を確立し、その後のモデルチェンジや新型車の開発にも大きな影響を与えました。
 
NSXの登場から今日に至るまで、その魅力は色褪せることなく、多くの自動車ファンの心に刻まれ続けています。これからもNSXは、その革新性と美しさを持ち続け、未来のスポーツカーの在り方を示していくことでしょう。NSXは単なる車ではなく、自動車技術の進化と夢を象徴する存在であり続けるのです。

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