1991年4月3日 「湾岸戦争 国連案保理決議687が決議」

1991年の湾岸戦争は、イラクのサダム・フセイン政権が、クウェートを占領し、サウジアラビアなど中東地域の安定に重大な脅威をもたらしたことがきっかけとなりました。

国際社会は、イラクにクウェートからの撤退を求め、アメリカを中心とする多国籍軍が派遣されました。1991年1月17日に始まった「砂漠の盾作戦」に続いて、2月24日には「砂漠の嵐作戦」が開始され、イラクは多大な被害を被り、同年2月28日に停戦合意が結ばれました。

停戦合意後、国際社会は、イラクに対して多数の決議を採択しました。その中でも、国連安全保障理事会が1991年4月に採択した決議687は、イラクに対する国際社会の厳しい措置を定めた重要な決議の一つとなりました。

決議687は、イラクに対して、クウェートを返還するように要求し、同時にイラクが大量破壊兵器を保有しているという疑いを解消することを求めました。イラクは、大量破壊兵器を保有しているという疑いがあったため、国際社会はイラクに対して兵器廃棄を求め、兵器廃棄の監視団体である国際原子力機関（IAEA）と国連特別委員会（UNSCOM）が設立されました。

また、決議687は、クウェートに対する補償の支払い、イラクの経済制裁の課せられること、そして石油の輸出制限の設定などを定めました。しかし、イラクはこれらの要求に対して従わず、その後も兵器廃棄や制裁措置に反発する姿勢を示しています。

湾岸戦争後の中東地域において、決議687は多大な影響を与えました。イラクには、輸出制限や制裁措置が課せられ、イラクの政治や経済に深刻な影響を及ぼすことになりました。そして、この後のイラク戦争や中東地域の紛争にも決議687が関係していると考えられています。イラクは、国際社会の圧力によって疲弊し、サッダーム・フセイン政権が崩壊し、新たな政治体制が樹立されました。

しかし、イラクの政治情勢は安定せず、アメリカを中心とする多国籍軍が2003年に再度イラクに侵攻することになります。この際には、大量破壊兵器の存在が理由とされましたが、結局発見されませんでした。

イラク戦争後、中東地域は大きく変化しました。イラクには新たな政治体制が確立され、中東地域の影響力争いやテロ活動などが激化する中で、イランやシリア、イスラム過激派組織の勢力が台頭することになりました。

このように、1991年の湾岸戦争やその後の国際社会の対応は、中東地域の現在の状況にも深い影響を与えていると考えられています。