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EWI5000の内蔵サックス音源が劇的に良くなった設定②

EWI5000の内蔵サックス音源が劇的に良くなった設定②


(これは「EWI5000…やればできる子じゃん!」という記事です)

 

初期設定のサックス音源があまりにチープな音のため、ひどいレビューが散見されるEWI5000。

 

しかし、本体についているつまみをぐりぐりと回して何週間も色々と研究しているうちに、ウインドシンセサイザーとしては本当に素晴らしいサックスの音を出すことに成功しました。

「速いパッセージを演奏して何とか音質の薄っぺらさをごまかすしかない」なんてことももうありません!

ゆっくりしたバラードだってこれで気持ちよく演奏できます。

以下にその設定を紹介します。3ステップだけで、しかもパソコンは使わずEWI本体のみでできる設定ですのでぜひお試しください。

 

(私はEWIの専門家ではありませんが、EWI5000を買って同じ悩みを抱えている方が多いようですのでこの記事を書いています。これよりさらに良い設定があるかと思いますが、とりあえずこの設定だけでかなり良い音が出ます)

目次

① 音源番号「31」を選択する
② つまみの設定
③ ボリュームの設定

(これは「EWI5000の内蔵サックス音源が劇的に良くなった設定」という記事の続きです。初期設定(ハイレゾ設定など、ブチブチ言うノイズを無くす方法)等は、まずそちらをご覧ください)

 


① まずは音源番号「31」を選択

まずここでは音源番号31を選択します。やり方は以下の通りです。

まず右手親指で本体裏面の真ん中ほど、四角いアースプレートの上にあるネジに触ります。

このネジに触ると、本体上部ディスプレイに今選択されている音源番号が表示されます。

このネジに触りながら、本体側面にある透明の2つのボタンをカチカチしながら音源番号を選びます。

「31」と表示されたらネジから指を離します。

右手親指でネジを触り、右手人差し指と中指で側面のボタンをカチカチすると楽です。(説明書には、この時左手親指で、本体裏面上部ローラーの横側にあるアースプレートに触れていた方が良いと書かれています)

※ちなみに音源番号を選んでいる最中に本体正面の演奏用キーに指が触れますと、音源番号「00」が選択されてしまいますのでご注意ください。

 


②つまみの設定

このままでは音が良くありません。ええ、全然良くないです。

ここからいよいよ音を良くしていきます。

(※注意 前回の記事を見ておらず、ブレスセンサーの設定をしていない方は、「EWI5000の内蔵サックス音源が劇的に良くなった設定」という記事の①をご覧になり、ブレスセンサーのハイレゾ設定を先に済ませてください)

 

(↑ 今回もここをぐりぐりします)

 

本体裏面、ディスプレイの上側にあるカバーを外します。

 

これ、一つのつまみで2つの数値を操作することができます。

 

1つ目の数値(正)は直接つまみを回します。

2つ目の数値(副)は、TRANSボタンを押しながらつまみを回します。

(各つまみの詳しい説明については、やはりAKAI公式エンドーサー「よしめめさん」のブログが秀逸ですのでそちらをご覧ください)

https://ameblo.jp/yoshmeme/entry-12570574996.html

 

以下の通り設定します。

 

左側が(正)、右側が(副)の値です

 

FILTER 90,60

BITE 0,0

FINE 0,0

CHORUS 0,0

BREATH 65,50

SEMI 0,5

REVERB 50,60

LFO 0,0

 

※ 各つまみ共、(副)から先に設定し、次に(正)を設定するようにすると、混乱が少なくなります。

※ つまみによってはマイナスの値も100以上の値(ドットが点灯する)もありますので、0のつもりが100になったりしていないかよく確かめてください。

 

ちなみに音作りにT-SQUAREの「Twilight in Upper West」という曲のサックスをイメージしていますので、ちょっとリバーブ多めです。

BREATHの(正)の値は息の感度です。もし何も吹いていないのに音がなってしまうようであれば、もう少し値を下げてください(※音が鳴らなくなってからさらに3ほど値を下げてくださいと公式の説明書には書いてあります)。

最後に、つまみがなにかにぶつかると危険ですから忘れずにカバーを戻してください。

前回と大きく変わったのは「FILTER」の値です。ここがキモです。

 


③ ボリュームの調整(※この③は前回の記事と同じですので、すでに設定が終わっている方は読み飛ばしてください)

 

次にボリュームレベルを90にします。

 

(最大値99でも良いのですが、若干だけ余裕を持たせておきます)

 

EWI5000裏側下部にある「LEVEL」というボタンを押しながら、本体側面にの透明のボタンで値を上下させます。

 

※ 音量を90(ほぼ最大)にした上でBREATHつまみの(副)の値(息の抵抗値)を低めの50にしておくことで「少ない息でもコントロールしやすい&強く息を吹き込めば非常に大きな音が出せる」という理想的な状態になります(重要)。

 


 

これでいよいよ、吹いてみてください。

どうでしょう…。微細な息づかいまで表現されるようではありませんか。優しさの中に隠れた「泣き」の要素、そしてなかなかの「深み」。もちろん生のサックスにはかないませんが、吹いていて非常に気持ちが良い音です。

そう、PCM音源のEWI5000だってやればできるんだ…。ゆったりとしたバラードだって、EWI5000のサックス音源で歌い上げてやるぞ…。

 


 まとめ

わたしはハードなサックスの音、「泣き」の音を求めていたので、最初は音源番号31「Soft Alt Sax」の音は全然好きではありませんでした。かといって音源番号30の「Hard Alt Sax」も全く方向性が違い、好きになれません。他のテナーやソプラノ、バリトンサックスの音もどれも薄っぺらい感じがして、使ってみても全く演奏に集中できませんでした。

「Twilight in Upper West」のような、「優しく」、かつ「激しい」、そして「深み」のあるサックスの音は出ないのか…?

そこで音源番号31「Soft Alt Sax」の初期設定では優しすぎる音から、激しさと深みを足してみる方向で音作りをすることにしました。

今回特に大きく変わったのは「FILTER」の値です。カットオフ(正)を90、レゾナンス(副)を60に設定することで、見事に激しさと深みが足されました。

「CHORUS」の値は0にし、シンプルにしました。ここはお好みで少々足しても良いかと思います。

さらに「REVERB」もレベル(正)を50、サイズ(副)を60とすることで、薄っぺらくない奥行きを足すことができました。

 

これでとうとうEWIのサックス音源でスロウなバラードが気持ちよく吹けます!

 

でも実のところ、EWI5000はさらに大きなポテンシャルを持っており、実際これよりもっと良い音を出すことが可能であると思われます。ですがここより先はパソコンと接続しての設定や、ソフトと連携したものなど、さらに難しいものになるかと思います。今回の記事ではEWI本体でできるもののみを紹介しました。将来的に色々研究できたらさらに記事にしたいと思っています。

この記事が同じ問題で悩んでおられる方のお役に立つことを願っております。

 

追記

と…、こんな記事を書いていた最中(2021.4.30)に、「Twilight in Upper West」の作者である和泉宏隆さんが亡くなられたというニュースが飛び込んできました。まだ62歳…若すぎます。突然の心不全だったそうです。残念すぎて言葉も出ません。EWIやT-SQUAREを語るには欠かせない「宝島」も「OMENS OF LOVE」も、彼の作品です。和泉さんの曲は子どもの頃から好きでした。

私は今後も和泉さんの曲を吹き続けます。ありがとう和泉さん。本当に…。

 

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この記事を書いた人

 

オカリナ講師のジャスティン
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音楽・イラスト・IT・マーケティング等幅広い分野の記事を書きます。プロフィールより固定記事をご覧ください。ジャスティンはYouTubeでオカリナ講師、Twitterではイラストレーターをやっている人です。

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