1904年2月17日 「プッチーニの歌劇『蝶々夫人』がミラノ・スカラ座で初演」

当時の1904年2月17日、ミラノのオペラハウス、スカラ座は、音楽の歴史において永遠の輝きを放つ一大イベントの舞台となりました。その日、ジャコモ・プッチーニ（Giacomo Puccini）の心に息づく、不朽の名作『蝶々夫人』（Madama Butterfly）が初めて舞台上に姿を現しました。

このオペラは、プッチーニの魂の深部から湧き上がる感動的な音楽と、アメリカの劇作家デーヴィッド・ベラスコ（David Belasco）が創造した感動的な物語が融合した、3幕ものの壮大な作品です。舞台は長崎に設定され、そこで没落した藩士令嬢である蝶々さんとアメリカ海軍士官ピンカートンとの悲劇的な愛が描かれます。

物語の原型は、アメリカの弁護士ジョン・ルーサー・ロング（John Luther Long）が1898年に発表した短編小説「Madame Butterfly」にあります。それをベラスコが戯曲化し、プッチーニがそれをオペラの台本にしました。

1904年2月17日の初演は、惜しまれながらも大きな成功を収めることはありませんでした。観客や批評家からは賛否両論が巻き起こり、その後の上演には影響を与えました。しかし、プッチーニは作品に手を加え、同年5月28日にブレシアで上演された改訂版は大きな成功を収めました。

『蝶々夫人』は、その後、世界中のオペラハウスで演じられる標準的なレパートリー作品として定着しました。その美しい音楽と感動的なストーリーテリングは、観客の心を捉え、深い感動を与えることで知られています。特に第2幕のアリア「ある晴れた日に」は、その美しい旋律が広く知られ、多くの人々の心を打つ名場面として親しまれています。

日本が舞台ということもあり、『蝶々夫人』はプッチーニの作品の中でも特に日本人に愛される作品となりました。その美しい音楽と感動的な物語は、時間を超えて、私たちの心に響き続けるでしょう。