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過信は禁物!FRBが支える米株式相場 (日経など)

過信は禁物!FRBが支える米株式相場 (日経など)


米国株の最高値更新視野

アメリカで株価が3万5千ドルの過去最高値が視野に入ってきている。

ワクチン接種の拡大で経済の正常化が見込まれ、変動率いわゆるVIX指数も低位で安定している。

 

VIX指数の低位安定

VIX指数とは、株価指数オプションの理論価格から導き出せる予想変動率を示す。

難しい定義だが、要は恐怖指数と呼ばれ、株価の先安観が強まると急上昇する指標で、市場心理のバロメーターとなっている。

VIX指数は、昨年春コロナは始まった瞬間跳ね上がって以降、20を下回っていなかったが、最近その近辺で推移している。

これは、コロナ前の水準(15~18)に近づいてきており、コロナ克服の象徴にも捉えられなくもないが、死角もあるという。

 

FEDプット

この波乱なしを織り込むVIX指数には違和感が感じられる。

まず、実体経済の先行きは依然として不透明感が強い。

また、各地で続く変異株の発生もある。足下、東南アジアでは、マレーシアで5.3万人の増加、インドネシア3.9万人、フィリピン3.8万人と直近の1週間で急増している。

これらを勘案すると株式市場も安泰ではないはず。

それでも投資家は強気で、VIX指数は安定。

理由は、株価が大幅に下がれば、中銀がプットをばら撒いて金融システムを守るという観測があるから。

いわゆる「FEDプット」、「パウエル・プット」と呼ばれているもので、中銀が相場を支えてくれるという意味で使われている。

こうした市場の見方に対しては、FRB幹部は全否定するが、お決まりのパターンになっている。

 

中銀と各資産の距離感

ただし、FRB幹部の見方と市場は異なっており、結果として、いわゆる「中銀の傘」に入った資産は、価格変動が小さい。

典型的な例が、米国債だ。

国債の売買はFRBの主要な伝統的政策手段となっているため、米国債の価格変動は他の資産と比べて限定的になっている。

一方、ハイイールド債は、「中銀の傘」を示す資産として、もっと典型的だ。

2008年金融危機時と異なり、今回のコロナ危機では、FRBの買い取り対象となり、「中銀の傘」入り。去年の価格変動は、金融危機時と比べて格段に小さくなった。

対照的なのは、ビットコイン。

中銀が通貨発行権を死守するのは明らかで、ビットコインの価格の安定は望めない状況だ。月間2~4割の変動が常態化している。

そして、株式市場はというと、米国債、ハイイールド債、ビットコインといった他の金融資産の中では、ハイイールド債とビットコインの間に位置すると見られている。

 

株式市場と中銀の位置関係

日銀はETFを直接買い入れて、株式市場を買い支えるが、FRBはそのような政策は取っていない。

あくまで金融システムを脅かすほどの株価急落に対応するとのスタンスだろう。

すなわち、株式市場とFRBは微妙な位置関係にある。

いつまでも「パウエル・プット」が続くと考えてはいけない理由がここにある。

FRBの幹部は、市場を気持ちよくすることを最重視した「グリーンスパン・プット」が、最終的に2008年金融危機を招いた教訓を忘れておらず、二度と同じ過ちは繰り返さないだろう。


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