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#4【葛飾北斎】富嶽三十六景「東都浅草本願寺」

#4【葛飾北斎】富嶽三十六景「東都浅草本願寺」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

富士山は文化遺産として
世界遺産に登録されています。
(2013年登録)

文学・絵画・写真。
これからも
富士山をモチーフとした名作が
生まれてほしいです!

ではでは、
今回は富嶽三十六景の4枚目の解説です。

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「東都浅草本願寺」とうとあさくさほんがんじ

東都浅草本願寺

大胆な構図です!手前の浅草本願寺の屋根が大きく壮大に感じます。それもそのはず、瓦師(瓦の職人)が屋根に対して小人のようですね。

富士山
富士信仰は江戸庶民にまで広がっていました。

富士山


摺師の「ぼかし」の技術が光ります。

空

凧揚げ
お正月の風物詩です。
カチッとした建物の構図を崩す
アクセントになっています。

凧揚げ

浅草本願寺 本堂
敷地1万5千坪(日本古来の尺貫法)と広大な土地に
大きな本堂が悠然と建立されています。
畳が2万7000枚以上の広さを想像してみて下さい!
(^^;)
正確に計算できなくて申し訳ございません。

浅草本願寺

鬼瓦
鬼面のついていないデザイン。
鬼瓦の胴の部分には雲の形が施されています。

鬼瓦

瓦師
瓦職人が5人描かれています。

瓦師

井戸掘り櫓(やぐら)
櫓の高さは掘る深さと同じくらい必要だったそう。
こちらも凧と同様、絵のアクセントになっています。

井戸掘り櫓(やぐら)

浅草本願寺は現在の「東本願寺」のこと

現在も浅草本願寺は、東京の浅草1丁目に「東本願寺」として歴史を重ねています。

東本願寺の歴史
1591年 江戸神田に江戸御坊光瑞寺を創設
1609年 神田域内で移転
1612年 火災
1632年 火災
1657年 火災(明暦の大火)
    この火災の後 浅草へ移転
1830~1833年
    富嶽三十六景「東都浅草本願寺」
    が描かれる
    この地域のランドマークだった
1836年頃「江戸名所図解」第六巻に
    東本願寺の記載 
1910年 関東で記録的な大洪水
    本願寺も床下浸水したとの記録
1923年9月1日 関東大震災
    建物は消失したものの、
    多くの方が復興活動を行った
1934年 本堂再建が始まる(1936年上棟式)
1945年3月 空襲により被災

火災、地震、戦争。
大変な苦難を乗り越えて現在に続いていることに感動します。

北斎らしい三角の構図

前々回に解説した「江都駿河町三井見世略圖」同様、三角の構図です。

「江都駿河町三井見世略圖」の構図
構図


今回は三角が 大・中・小 とリズムよく配置されています。
「東都浅草本願寺」の構図
構図

三角の対比により遠近が強く感じられます。
屋根の一部をドアップにする大胆さが北斎らしいです!

また、凧と櫓(やぐら)が構図の遊びになっていて、
凧が風になびく様子が気持ちいいですね。

以上「富嶽三十六景 東都浅草本願寺」の解説でした。
次回は「富嶽三十六景 本所立川」(ほんじょたてかわ)の解説です。
お楽しみに!

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