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#22【葛飾北斎】富嶽三十六景「武州玉川」

#22【葛飾北斎】富嶽三十六景「武州玉川」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

玉川に船が浮かぶ様子は
とても情緒があります。
(^^♪

現代には紙に絵や文字を
凸凹にする「エンボス加工」という
手法があります。

今回は
江戸時代のエンボス加工、
空摺(からずり)」が
玉川の表現の要です。
(^^♪

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く

富嶽三十六景「武州玉川」ぶしゅうたまがわ

スッと目に留まる
水面の美しさ!!

武州玉川

富士山
空を「一文字ぼかし」(いちもんじぼかし)
で表現しています。
(濃ゆい青の部分を横にぼかしているところ)
富士山

渡し舟
玉川には多くの渡し舟がありました。
渡し舟

玉川の渡し舟の歴史
江戸時代 39か所
昭和48年 最後の渡し舟「管の渡し」廃止

馬子(まご)
馬で荷物を運ぶ人。
馬追い、馬方、馬曳(うまひき)とも
よばれる。
馬子

空摺(からずり)の技法
絵の具なし!
強く擦って紙をデコボコに。
水面の表現が逸脱です。
空摺

静寂の中、
渡し舟の進む音や
馬の息づかいが聴こえそうです。

玉川は現在の多摩川

玉川は現在の多摩川です。
上空からみると幅が
かなりあり
大きな川ですね!

多摩川

(多摩川の関戸橋 上空より)

江戸で火事があると
玉川上流周辺の木々を伐採し
筏(いかだ)にして送ったとのこと。

漁業や人の往来、
江戸の生活の中に玉川は深く
関わっていたのですね。

北斎の構図「遠景」「中景」「近景」

北斎は三ツ割法という
画面を三分割する構図を考え
絵に活かしていました。

画面を三分割

三ツ割法

おおよそこの範囲にそれぞれ
遠景、中景、近景を
配置しています。

構図

奥行き感のある絵に
なっています!!

また渡し舟と富士山の間に
雲が大きくかかり神秘的です。
まるで三途の川でも見ているよう・・・💦

富士山への憧れと畏敬の念を感じる
一枚だと思いました。

以上「武州玉川」の解説でした。
次回「富嶽三十六景 東海道程ヶ谷」とうかいどうほどがや
の解説です。

お楽しみに!!☆


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