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#23【葛飾北斎】富嶽三十六景「東海道程ヶ谷」

#23【葛飾北斎】富嶽三十六景「東海道程ヶ谷」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

北斎の絵を見ていると

「こんな木々のある道を歩いてみたい!」
と思ってしまいます。
(^^♪

江戸時代の人々もそんな思いで
絵を観賞していたかもしれません。

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「東海道程ヶ谷」とうかいどうほどがや


松並木がリズムよく配置されています!

旅する人々が生き生きと描かれており
自分も旅をしているかのようです。

東海道程ヶ谷


程ヶ谷(ほどがや)は
現在の神奈川県横浜市保土ヶ谷区です。

江戸時代は東海道の
宿場でした。

富士山
松と富士は絵になります!
富士山

駕籠かき(かごかき)
駕籠をかつぐ仕事をする人のこと。
汗をふいたり
駕籠かき
草履の紐を結びなおしたり
駕籠かき その2
日常の仕草が現代人とも通じて
親近感がわきますね!
(^^♪

虚無僧(こむそう)
禅宗の僧。
諸国を行脚修行していました。
虚無僧
「天蓋」とよばれる笠をかぶっています。
時代劇に出てきそうですね。

クロード・モネに影響


東海道程ヶ谷は
クロード・モネの「ポプラ並木」に
影響を与えました。

「陽を浴びるポプラ並木」
1891年 油彩
クロード・モネ

松ではなくポプラなのが
ザ・西洋ですね。

「ポプラ並木」は連作であり
この絵は連作のうちの一つです。

一つのモチーフを
色々な角度や光加減、
シチュエーション違いなどで
楽しめるところが
富嶽三十六景と共通していますね!

北斎の構図


気になる北斎の構図ですが、
松に鳥居の形が隠されていると
解釈することができます。

富士山

富士山は
日本一の高い山ですから、
普通の人々にとって登ることは困難です。

ですので「遥拝」(ようはい)という
標高の低いところに鳥居をたてて
そこから祈るという
信仰が生まれました。

この流れが浅間神社の始まりといわれ
「富士山本宮浅間大社」
(ふじさんほんぐうせんげんたいしゃ)
など全国に約1,300もの浅間神社があります。

富士山信仰をしている浅間神社ですが、
何故「富士山神社」という名称ではないのでしょう?
(^^;)
それは「浅間」という言葉が
火山を意味する言葉だったからです。

富士山は噴火を繰り返して
人々を大変な目にあわせ、
それなのに普段は見惚れるほど美しく・・・。

そんな富士山を絵で身近に感じるため
富嶽三十六景のシリーズは
描かれたのかなと思います。

東海道程ヶ谷は松の中に
鳥居を隠して
信仰という見えないものを
表現したのではないでしょうか。

以上「東海道程ヶ谷」でした。
次回「富嶽三十六景 相州七里浜」(そうしゅうしちりがはま)
の解説です。


お楽しみに!

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