学びをアウトプット 「プロセスエコノミー」
学びをアウトプット 「プロセスエコノミー」
<学びをアウトプット>
「プロセスエコノミー」
著者:尾原和啓
執筆家、IT評論家。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアスタート、Google、楽天の執行委員も歴任。
「得意な事」「その得意をやっているだけで楽しい」「それが誰かの役に立つ」の3つの条件を満たすものをやり続ける。結果をすぐ求めるのでなく、フロー状態に入る事、やっているだけで充実している事。
ギブの精神を持ち続け、情報をフルオープンにし、完成するまで待つのでなく、試作品で都度都度改善していく。
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▼プロセスエコノミーとは
インターネットにより情報が共有され商品・サービスがコモディティ化(どれも似たようなモノ)して、差別化が図れない。そこで、商品・サービスが作られる過程で差別化を図ろう、価値を出そうというもの。
アメリカ人心理学者マーティン・セリグマンが唱えた「幸せの5つの軸」というものがある。それは
- 達成
- 快楽
- 良好な人間関係
- 意味合い
- 没頭
▼乾く時代と乾けない時代
乾く時代(現在の30代以上)求めているもの
「達成」「快楽」
乾けない時代(現在の30歳以下)求めているもの
「良好な人間関係」「意味合い」「没頭」
「私はこういう風に生きてきた」「君は今こういう道を歩んでいるんだね」「私と君には共通点がある。その共通点をきっかけに連帯しながらみんなで何かを起こそうよ」
自分のプロセス(生き様)を開示し共有することで、個の熱狂が集団へと広がる。
▼ファンの支持を強くするための3つのアップグレード
- 共感→熱狂
- 愛着→無二
- 信頼→応援
プロセスを共有する事によって、最初に抱いた「共感」は、やがて強い「熱狂」にまで高まっていく。ブランドへの「愛着」は、このブランドではなくてはダメだという「無二」の感情へと変わっていく。そして、受動的な「信頼」から能動的な「応援」へと高まっていく。
▼感謝には2種類ある。
①恩恵的感謝→誰かに何かをしてもらったり、何かをもらったりするなどの所為によってする感謝。
②普遍的感謝→感謝の気持ちをいつも感じている心のあり方。あらゆるものに感謝の気持ちを感じている状態。
前者は自分本位で物事を捉えているので、視野の狭くなり協力者も増えにくい傾向がある。後者は、周囲との繋がりを常に意識し、広い視野で物事を捉えているので、結果的に多くの人の共感を呼び、協力者を得やすい。
▼プロセスエコノミーをどうやって実装するのか
「○○が正解だ」と定義したところで、変化が激しい時代には、その定義自体が変わる事が多々ある。
ならば、修正することを前提にした方がいい。正解を出すことにこだわらず、β版(試作品)でもいいからとりあえず表に出して、多様な人からフィードバックを受けながら修正していけばいい。
情報をフルオープンにして旗を立てる。
海外の情報を簡単に集めれない90年代半ばは、海の向こうの情報を差し出すことに大きな価値があった。
今はスマホがあれば即座に海外の情報は手に入る。
昔ほど、情報に価値が無くなった。
ネットの世界では、最初に旗を立てた人に情報が集まる。結果的に一番の情報リッチになる。
プロセスを開示することで、真似をされるデメリットがある。しかし、機能や性能はコピーできても、個人の「好き」という価値観や偏愛はコピーできない。
プロセスエコノミーにおいて大切なのは、その「自分だけのこだわり」の部分をいかに伝えていく事。
▼プロセスエコノミーの実例集
○BTS
BTSは7人のメンバーの肖像権に縛りをかけていない。「ARMY」と呼ばれる熱烈なファンはクラウドファンディングによってお金を出し合い、一番目立つ場所に自腹でBTSの広告を掲載したり、YouTubeでダンスの動画をアップしたりコメントつけたりしてファンがファンを作っていく。
○Xiaomi(シャオミ)
スマホ世界シェア4位を誇る。1位はSamsung 2位はApple 3位はHuawei
カメラの機能が1億画素もありながら5万円台で買えるのが売り。シャオミはファンの事をミファンと呼び、大切にしている。3000万人いるネットコミュニティの中で情報をフルオープンにして、「こういうやり方の方がいいと思う」という意見を拾ってきて、ユーザーと一緒に理想のスマホを作ってきた。だからこそ、ユーザーは発売前から潜在的顧客になっている。
○メルカリ
賢い農家は、メルカリを産地直送のお店として使っている。農家が作った新鮮な野菜を消費者のもとに安く直接届ける。
中間業者に中抜きされていた利益を総取りできるし、生産者とお客さんと直接繋がりができファンを作る事ができる。
▼夢中の3条件
- 得意
- その得意をやっているだけで楽しい
- それが誰かの役に立つ
つまり、得意な事を楽しむという事自体が目的になっていく。それがいつの間にか利他的価値に繋がると人間はどんどん夢中になっていく。
○「人生がときめく片付けの魔法」こんまりさん
片付けが楽しすぎて自分の家を片付ける、兄弟の部屋を片付ける、それがなくなったら友達の家を片付ける、他人の家も片付ける。そうやって、「やりたい」と「強み」が掛け算になると、人は「時間を忘れて集中する」フロー状態になって、ますます成長する。「得意」と「やりたい」が掛け算で増えていく。
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