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#62【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「東海道岡崎矢はぎのはし」

#62【葛飾北斎】諸国名橋奇覧「東海道岡崎矢はぎのはし」


皆様こんにちは!
絵画インストラクター松本です。

葛飾北斎の「諸国名橋奇覧」
(しょこくめいきょうきらん)
は全11図。

11図


今回は「東海道岡崎矢はぎのはし」の解説です!

「東海道岡崎矢はぎのはし」


「東海道岡崎矢はぎのはし」
(とうかいどうおかざきやはぎのはし)

とても大きな橋ですね!!

東海道岡崎矢はぎのはし


矢矧橋(やはぎのはし)は
およそ370mの長さがあったとのこと。
東海道最大の橋です。

ただ、北斎の描く矢矧橋は
橋のカーブが
誇張されていると思われます!
Σ(゚Д゚)
のちに歌川広重が描いた
「東海道五拾三次 岡崎 矢矧之橋」
ではここまでの曲線ではありません。

建築学的にもこのような
橋は難しそうですし、(^^;)
北斎は誇張表現も得意なので
迫力を出すための演出だと思われます。

実際には東海道最大の橋ということで
すごく大きいことには変わりません。

また、近くに家康の生まれた岡崎城があり
城下町として建物が多く描かれています。
橋を渡る人々も多いですね!

橋の向こうでは武士が
弓の練習をしているのでしょうか。

幕には三ツ巴紋。
版元永寿堂の商標です。

巴紋

笠が3つ描かれています。
名入れがあり、サイズも大きそうなので
番傘だと推測しています。

笠

右が「栄寿堂」版元の名前です。
真ん中が永寿堂の三ツ巴紋、
左が「馬喰町二丁」と文字がみえます。

馬喰町といえば東京と思っていたのですが
愛知県にも馬喰町がありました!
愛知県名古屋市西区の地名になります。

版元の宣伝をちゃっかりしているところに
商売魂を感じます。

現在の愛知県岡崎市


「矢作橋」(やはぎばし)として
国道1号にかかっており
現在は16代目の橋です。

矢作橋の歴史
1601年 架橋
-------  
水に流され何度も改修
-------
1951年 15代目の橋が竣工
2011年 16代目の橋が完成

岡崎は徳川家康生誕の地で
現在の愛知県岡崎市になります。

矢作橋の近くには岡崎城があります。

岡崎城

岡崎城

岡崎城の歴史

1452年 築城
1542年 城内で徳川家康が生まれる
     (幼名は竹千代)
2006年 日本の100名城に選定

岡崎城は岡崎公園内にあり
施設リニューアルのため2023年1月まで休館中です。
大人200円
小人100円

公園内の
三河武士のやかた家康館では
家康の天下統一までの歴史を
学ぶことができます!
大人360円
小人200円
(年末は休館)

歴史好きの方に
オススメの施設です!

北斎の構図

今回の絵の構図は
写真の構図の基本
三分割法にあてはまります。
(縦と横を3分割、9マスを基準にする)

構図

紫・・・遠景
緑・・・中央に注目させたい橋を置く
赤・・・近景

迫力がありながらも
バランスのとれた絵と
なっています!

読んでいただきありがとうございました。
それではまた次回!
(^^♪

追記。質問きてた!

北斎の絵の
白い布と傘は何ですか?
と質問がきていました。

質問

手前のほうに描いてありますね。

歴史学者ではありませんので
いち個人の推察として
お読みくださいね。(^^♪

岡崎城の周辺は産業が
盛んだったといわれております。

染物や傘づくりも
この周辺でされていたのではないでしょうか。

白い布

染める前の生地の汚れを落として、乾燥させている作業のところ
(おそらく「糊置き」とよばれるところ)



和傘の制作工程は細かく分類すると100以上といわれています。
「天日干し」という、
雨に強くするため油をぬって天日干しするという作業があります。
北斎が描いたのは
天日干しされている傘かと推測しました!
(^^♪

実際に橋の下で作業をしていたかは不明ですが
産業が盛んということで絵的に
付け加えられたのかもしれません。

北斎さ~~~ん、
合ってますか?!
(^^;)
天国から答えがほしい今日この頃です。

質問ありがとうございました!
皆様、
お付き合いくださりありがとうございます!

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