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仕事で使う言葉「伝えておきます」って正しいの?

仕事で使う言葉「伝えておきます」って正しいの?


「伝えておきます」の敬語表現
 
「伝えておきます」とは、「伝えておく」の丁寧語であり、後に続く動作や出来事の前に必要な事柄を、人を介して知らせるという意味です。謙譲語では「お伝えいたします」「申し伝えます」「お伝えしておきます」と表します。日本語では相手の立場によって使い分けるのが一般的です。丁寧語の「伝えておきます」は、立場にかかわらず、相手に対して丁寧な表現を使うことで敬意を表しています。謙譲語の「お伝えいたします」「申し伝えます」は、自らをへりくだることで話している相手に敬意を示し、主に社内などの身内に「伝えておく」場合に用いる表現です。一方「お伝えしておきます」は、伝える相手に敬意を表す表現で、取引先などの社外に「伝えておく」場合、あるいは組織内のやりとりで上司に「伝えておく」場合に使います。

「伝えておきます」の敬語の最上級の表現
 
「伝えておきます」という丁寧語を「お伝えいたします」や「申し伝えます」といった謙譲語で表すことで、相手に対する敬意や感謝の気持ちを表現することが可能です。さらに相手への敬意や感謝の気持ちを最上級の表現で表す場合、「お伝えいたします」や「申し伝えます」に強調の言葉を付け加えたり、他の表現を使うこともあります。以下はそうしたものからの4つの表現をピックアップしました。
 
■必ずお伝えいたします
伝える気持ちの強さを表すために「必ず」をつけて、確実性や安心感を強調することができます。

速やかに申し伝えます
「速やかに」をつけることで優先度の高さを強調しています。重要視しているという姿勢をより示しやすい表現です。

必ずやお伝え申し上げます
「必ず」に「や」がつくことでより強調性をアピールできます。また、「~申し上げる」という補助動詞をつけることで敬意の度合いが高まり、さらに丁寧で改まった表現が可能です。

ご報告いたします
「伝える」という表現が言葉などで知らせるという意味に対して、「報告する」という表現は任務の結果などを告げ知らせる意味を持つことから、より改まったニュアンスが強調されます。

「伝えておきます」の敬語のビジネスメールでの例文

メール件名:Re:□□の注文に関するお問い合わせの件
 
○○株式会社
営業部 ●● 様
 
お世話になっております。
(株)△△の□□を担当しております▲▲と申します。
この度はお問い合わせいただきありがとうございます。
 
ご質問いただきました□□ご注文の件ですが、現在新たに在庫確保の目処がついておらず、店頭にある商品のみとなっております。
ご希望に添えず誠に申し訳ございません。
ただ確認しましたところ、弊社■■店に在庫がございます。
もし店頭在庫品でもよろしければ、店舗より商品を引き上げ、こちらでご覧いただくことも可能です。また直接店舗でご覧いただくのでも宜しければ店舗責任者へお伝えいたします。
なお、現在店頭に出ている商品のため、大変お手数ではございますが、なるべくお早めに再度ご連絡いただければと存じます。
何卒宜しくお願い申し上げます。
 
(株)△△ 
商品部□□担当 ▲▲

「伝えておきます」を上司に伝える際の敬語表現
 
「伝えておきます」を上司に伝える際の敬語表現は、誰と話しているか、どのように敬意を示すかによって異なります。社外とのやりとりでは、話している相手への敬意を示す丁寧語か謙譲語、社内でのやりとりでは、伝える上司への敬意を示す謙譲語で表現するのが一般的です。
 
上司に伝えておきます
取引先などの社外とのやりとりの中で、丁寧語で「上司に伝える」とした場合に用います。

上司に申し伝えます
取引先などの社外とのやりとりの中で、謙譲語で「上司に伝える」とした場合に用います。

上司に申し伝えておきます
社内のやりとりの中で、謙譲語で「上司に伝える」とした場合に用います。

「伝えておきます」の敬語での誤用表現・注意事項
 
謙譲語で「お伝えしておきます」を使う場合、敬意を示すのが伝える相手になるので、取引先などの社外とやりとりしている際に用いると失礼にあたります。主に社内で先輩や同僚とのやりとりの中で「上司に伝える」といった場合に用いるのが適切です。一方「申し伝えます」は話している相手に敬意を表しています。その正しい使い方は、やりとりしている相手の言葉を身内(社内)に伝える場合であり、社外の人に伝言する際には使いません。
 
「伝えておきます」の敬語での言い換え表現
 
「伝えておきます」を敬語で言い換える場合、「お伝えします」や「お伝えさせていただきます」などの表現があります。「お伝えします」は「伝える」の敬語表現です。「お伝えしておきます」という敬語が「前もって~しておきます」というニュアンスなのに対し、「お伝えします」は「~します」という自らの意思が強調されています。

また「お伝えさせていただきます」も「伝える」という意味を持つ敬語表現ですが、「伝えさせていただく」という不自然に大袈裟なニュアンスが、ビジネス用語としてあまり相応しいとは言えません。他にも「お伝え申し上げます」「お伝えいたします」「申し伝えます」などいろいろ言い換えの表現がありますので、ニュアンスの違いを理解して使い分けることがスムーズなビジネスコミュニケーションに繋がるのだと思いました。

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