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元塾講師が教える 反復こそが最高の勉強法

元塾講師が教える 反復こそが最高の勉強法


秋を迎えると、受験勉強も追い込みの時期に差し掛かります。
大学受験は、そろそろ推薦入試を見据えた勉強が本格化します。

塾の講師をしていたころに、勉強方法について生徒から度々相談を受けました。
その答えについて、書いていこうと思います。

反復が最も効果的

受験勉強に限らず勉強の基本は反復です。
人間の記憶というものは、よほどのことがない限り定着しにくいものです。
基本を記憶していなければ、その組み合わせである応用問題は解けません。

例えば英単語を一回みただけで記憶できる人はまれです。
何度も繰り返し、日を置いて思い出し、反復することで徐々に定着します。
一生忘れないぐらいの強固な記憶にするには、30回以上自分で使うのがよいらしいです。

私たちは日本語を話せます。
日本語は世界でも指折りの難しい言語のうちの一つだと言われています。
それを、ほとんど考えずに使いこなせるのです。

突然外国に引っ越して、その後何年も日本語を使わなかったとしても忘れることはないでしょう。
少し話しにくくはなるでしょうが、再度使い始めればすぐに思い出すはずです。

なぜかはわかりますよね。
もう、一生忘れないだけの回数使っているからです。
そして、忘れる間もなく再度使うので、記憶に完全定着するのです。
暗記が苦手という方は、死ぬまで忘れないだけの回数使っていないだけなのです。
つまり、反復すれば暗記は誰にでもできるのです。

このことは、数学などの思考中心の教科にもいえることです。

数学の文章題克服

数学で「計算問題は得意だが、文章題が不得手」という人は、反復の考え方から見直しましょう。
単語の暗記と違い「〇回発音」や「×回音読」などの回数が見えにくいですよね。

そこで数学の問題集を見てください。
構成を見ているとわかることがあります。

それは計算問題の数と、文章題の数の違いです。

一般的な問題集、特に学校で配布されるようなもので数を比べてみてください。
計算問題は数多く掲載されています。

それに比べて文章題は数もバリエーションも少ないですよね。

計算問題は、ひとつ解くたびに計算方法の復習をしているようなものです。
だから意識せずとも反復できている状態なのです。
つまり、先に挙げたような「〇回発音」などの数値的な目標値は不要な仕組みになっています。

問題を解くだけで、同じような方法を何度も上塗りして記憶できるように作られているわけですね。

一方、文章題は数とバリエーションが少ないため、そうはなっていないのです。

ですから、どういう解き方なのか、どの方法を使って解いているのか、ポイントは?
などと自分で意識して立ち向かう必要があるわけです。
そして、計算問題以上に反復する回数を増やす必要があるのです。
問題数が少ないので当然ですよね。

基本的な文章題の解き方を暗記してしまえば、文章の構成や数値が変わっても対応できるようになります。
また、応用問題もつきつめていけば基本の組み合わせでしかありません。

社会科は暗記教科ではない

多くの保護者、生徒が「社会は暗記教科」といいます。
これは大きな間違いです。社会は暗記教科ではありません!

地理は、

  • なぜそのような地形になったのか
  • その産業が盛んな理由
  • 多国間の関係

などが複雑に絡み合って構成されている科目です。

現在ある姿を学ぶのが地理という科目なのですが、その姿には理由が存在します。
その理由を考え、頭の中で論理的に結びつけて覚えていくと、忘れにくく、思い出しやすくなります。

例えば、日本の工業地帯・地域の多くは太平洋側の海岸沿いにあります。
なぜ太平洋側なのか?なぜ海岸沿いなのか?
それらを考えて、関連付けて覚えていけば、単なる暗記ではなくなるはずです。
何も考えずに工業地帯の名前と場所だけを覚えても、やがて忘れてしまうのが落ちです。

しかり理由とともに関連付けて覚えることで、忘れにくくなります。
また、単なる暗記ではなく論理的に納得できた状態にもなります。

歴史は、

  • 今学習している時代と過去とのつながり
  • 政治的背景
  • 政治、文化、産業との関係
  • 周辺諸国との関係性

などを考えながら学習していく科目です。
暗記するのではなく、理解するのです。

ただし、人名や用語などは最低限暗記しなければなりません。
暗記しながら、関連を頭の中で構築していくのです。

確かに暗記すべき項目は数学や理科と比較すると、非常に多いです。
しかし、暗記のみで通用するのは、中学校の範囲までです。

年表と照らし合わせながら、何度も教科書や参考書を読み返してください。
なぜその時代に、その出来事が起きたのかがわかります。

例えば平安時代の国風文化。
遣唐使の影響で中国の文化の影響が大きかった日本ですが、徐々に独自の文化を創り出していきます。
そのような状況で遣唐使が廃止され、独自文化の普及は加速しました。
以降も中国との交流が途切れたわけではないので、
国風文化の発展の直接の要因=遣唐使の廃止
ではありません。しかし、そのきっかけの一つとなったのは間違いないでしょう。

国語はどうだろうか

国語は日々使用する日本語を無限のパターンで組み合わせる教科です。
そして、現代文においてその傾向は顕著です。
(古文や漢文は英語と同じような勉強法である程度は突破できます)

当然、組み合わされた文章の意味を理解する必要があります。
筆者の意図だけでなく、出題者の意図まで読み取り、解答を作成しなければなりません。

この能力は、どれだけたくさんの言葉を使い、意味を知り、応用できるのかというものです。

普段読書をまったくしない。
自分で文章を書くことなどほとんどない。
という人は、国語の成績が伸びることは永遠にありません。

また、幼少期からの積み重ねが非常に大切です。
センスというものは、幼いころから磨き続けて伸びるのですから。
年齢が進めば進むほど、国語の成績の伸びは鈍くなっていきます。

これも、日々使い続けることによる反復のせいです。

ある程度学年が進んでしまってから国語が不得意だと気付いた人もいるでしょう。
そういう場合は対処法はないのでしょうか?

茨の道なのは確かですが、まったく方法がないわけではないです。
まずはたくさんの良文を読み、問題を解きましょう。
受験勉強が忙しいさ中、読書する時間はないでしょう。
だから、受験用の問題を読み、解くのです。

もちろん漫然とやっていては効果はありません。
予備校なり、有名な講師について、読み方や解き方を学んで下さい。
そして、その方法が定着するまで、同じ問題を何度も解くのです。

それができるようなったら、次の問題へ。
という形で進めるしかありません。

そうすれば、テクニックだけでもある程度の点数は取れるようになります。
しかし、まったく勉強しなくても国語が得意という人に追いつくのは難しいです。

数学、社会、国語について触れてきましたが、どの教科も結局は反復が一番です。
どれだけ繰り返したかで、記憶への定着度が変わります。
どんな応用問題でも、結局は記憶の組み合わせを使えば解けるのです。
(あくまで受験レベルの話ですけど)

そのためには大量に記憶しなければいけない事項があるのです。
記憶に一番効果的なのは、何度も言いますが反復です。


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元塾講師です。大阪や奈良の進学塾で講師をしていました。塾の裏側、受験対策、効率的・効果的な勉強方法など、受験生や保護者の方々のお役に立つ記事を書いていきます。

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