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ギャンブルマダム Ⅸ

ギャンブルマダム Ⅸ




            自分と麻雀の出会い


20代前半ハズミでつきあっていた男性がいた。
ろくでもない奴だった。
稼ぎも良くないのにギャンブル狂。
いつもパチンコか麻雀ばかり。
私はいいかげん嫌になっていた。
その日も待ち合わせの時間に来ることはなく
いつもの雀荘かパチ屋だろうとと当たりをつけた。
携帯電話のない時代である。


彼は雀荘にいた。
仕方ないから待つことにする。
なかなか終わらないので、彼の真ん前のパイを邪魔にならないよう眺めた。
頭がひとつ、あとは三枚ずつ。
組み合わせによって得点が変わる。
知っていたのはそれだけ、まだあの時は。


面白そうだな
自分も覚えたいな


私が麻雀にハマるようになったのは
あの日がきっかけだろう。

                                 

              女性雀士


マージャンを打てるようになってくると、自分の女友達もレクチャーしてくれと言うようになってきた。
「まずは本でルールを覚えて実践してみたら」
私の言葉に彼女らはその通りにするが、仲間内の超低レートで負けても愚痴をたれる人もいた。
負けるのがくやしいのかパイを投げる人も。
彼女とは付き合いやめた。
すっかり面倒になってしまい卓を囲むのは終了宣言。


私の最初の実践は例の彼の行きつけの雀荘だ。
あらかた頭に入れ、即フリー雀荘で実践。
鳴門海峡の渦潮に放流されたようだ。
はじめの半年間はけっこう負けた。
やはり机上では限界があり実践で勉強代を払いながら
会得していくものだと納得。
1年も経てばいっちょ前に打てるように。
それと同時に彼とは別れ、私は雀荘の河岸を変えた。
独り立ちして打てる自信が出来たからである。


            ギャンブルと人の本性


勝負事をするとその人の人となりがわかるというのが自分の持論だ。
だからパートナーを見つけるときは是非とも興じている様子を
観察してみたらいいと思う。
ギャンブルはしません、なら、それはそれで平和だが。


ちなみに私はさいしょフリー雀荘で実践した時は
おぼこ娘のように指が震えていた。
今は心身ともに図太くなったものである。


次は投資や投機の話をします。

                           (つづく)

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関西出身
東京女子大文理学部卒
ハウスマヌカン、派遣業、塾、コンパニオンなど様々な職歴
最近はバーのママをしていたが脳梗塞で倒れて閉業
現在リハビリ中
痴と知の融合、境界型の人間

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