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『スパイ教室』評価・感想

『スパイ教室』評価・感想


ごきげんよう、アニメが好きな同志諸君!
東雲あかりだゾ!

今回は2023年アニメの『スパイ教室』の評価、感想を書いたよ!

まだ見ていない同志は是非参考にしてね!

 



評価の見方

評価は原則作品単位で行うよ。
(1期、2期などで区別しない。ただし、作品の性質が前期と異なるとき、評価が大きく異なる場合、その他評価を分ける必要があると判断するときはこの限りではない。)

点数はあたしが映像作品を見る時に注目する、脚本演出、(映像)技術音楽(劇伴)の4点を中心に評価するよ!最大は5つ。

  • ★(39点以下)
    惜しい点があった作品。
  • ★★(40~59点)
    見ていられる作品。気になっているなら数話見て判断しよう。
  • ★★★(60~79点)
    おすすめ出来る作品。気になっているのなら見て欲しい作品。
  • ★★★★(80~94点)
    死ぬまでに見て欲しい名作。通常評価では事実上の最高得点
  • ★★★★★(95~100点)
    あたしにとって映像史の1ページだと思っている最高傑作。

詳しい評価基準についてはこの記事を確認してね~

 


評価

点数:★

総評:全体的に色々惜しい

正直に言えば、「ある程度見ちゃって、気になっているから全話見た」って感じで、リピートしてまで見たいと思えるような作品ではなかったかな。

まず、あたしが映像作品を評価する上で重視している、脚本、演出、技術、音楽の4要素については、やはり物足りなさがあると感じていて、その点については率直に話さねばならないと思うんだよね。

特に脚本の要素に関しては壊滅的で、1st seasonの第1話から第3話までの展開は、作品の性質、物語の流れを大幅にスキップするしかなかったとはいえ、その展開がご都合主義に見えてしまったよね。

その結果かなり力の入った作品でありながら、大部分の人が「3話切り」をする要因になってしまったよね。

また4話以降のお話も、次の作戦が始まるまで、3話までの悪い流れを変えられるような程の展開に乏しく、見直そうと思わせるような展開は無かったよね。

その為、ネットとかの反応でも、スパイ教室に関して肯定的な意見を持っている人でも、1st seasonの一連の流れに関しては否定的な意見を持つ人もいるようだね。

 

一方、2nd seasonに関しては、比較的構成が時系列順であり、全編に渡ってストーリーが進行することの方が多く、高く評価している人もいるね。

中には、「3話切りはもったいない!」という意見もあるね。

あたしとしては、確かに面白い回もあったのでこの意見を支持する一方、評価観点に基づいた意見を述べるのであれば、★1を付けているということを考えれば、それ以上の名作級の作品と比べれば普通に視聴を切っても仕方がないし、仮に見続けたとしても苦痛に思う人がいてもおかしくはないかなぁ~と思うかな。

 

ただ、★1評価とは言え作品の全ての要素がダメというわけではないんだよね。

キャラデザは可愛いし、声優さんの演技もキャラクターの特徴を良く掴んでその部分に関しては非常に良かったと思うんだよね。

 

もし、アニメを視聴するかを悩んでいるのなら、向き不向きが出やすい作品であるということだけは伝えておくから、その点を踏まえた上で決めて欲しいかな。

 


各チェックポイントごとの評価

脚本

正直に言えば、この作品を低評価にしてしまった元凶。

まず、脚本を構成する要素として、物語そのものの面白さ(以下ストーリー性)と何話にどんな話を取り扱うのか(以下構成)の2種類があると思うんだよね。

その内、構成に関する部分でかなり損をしていると評するしかないよね。

これは、ここでの評価という意味でもそうだけど、1~3話までの展開で足切りにした視聴者が多かったという意味でビジネス的な意味合いの方が強いかな。

何故こうなったかについては、もう推測するしかないんだけど、恐らく原作にある叙述トリック的な表現を映像的に表現するための試みの中でこうなってしまったと思うんだよね。

この作品の原作のラノベは読んでいないんだけど、原作を読んでいる人にインタビューしてみたところ、この作品の面白さは小説という文字だけの媒体であることを巧みに使った伏線の張り方が特徴で、そこがセールスポイントでもあるみたいなんだよね。

 

文字にすると分かりにくいけど、第1話から第3話の話を思い出してもらうと分かりやすいかな。

灯たちのメンバーの人数が7人であるという情報を敢えて盗聴させ、エルナを含めた8人が実際のメンバーであるってお話だったよね。

この8人という事実を秘匿するために、名前で呼ばない等のルールなどを指示してことによって、敵を欺くって作戦だったと思うんだけど、この欺ける対象は、まぁメタ的なことを言うと、あたしたち視聴者も含まれているんだよね。

この部分については小説とアニメ版は同じなんだけど、小説では文字の情報だけだから、セリフなどから何人居るのかがパッと読んだだけでは分からない様に書かれているらしいんだよね。

一方、アニメ版ではエルナの情報を秘匿するために大幅にストーリーの順番を変更し、間のストーリーを全てカットした結果、3話までの時点で「物凄く雑なストーリー」のように見えてしまうという結果になってしまったんだよね。

 

この部分に関してはかなり難しい所で、そもそも、小説と映像で、同じ状況を示すための最適解は違うんだよね。

っというのも、これは小説と映像には以下の特性があって、その特性が正反対だからなんだよね。

小説

  • 文字だけで情報を伝えるから物語の世界を克明にイメージし難い。
  • それを逆手に取り、ミスリードを誘うことで読者にインパクトを充てる表現ができる(叙述トリックなど)

映像

  • 映像は画像や音などを使い、物語の時間と空間を鮮明に再現することが出来るんだよね。
  • 逆を言えば、鮮明に描かないと不自然になるため、ミスリードを誘いづらい。

この作品では小説が持つイメージが掴みにくいというデメリットを逆手に取りミスリードを誘うことで好評だったけど、アニメではそのテクニックをそのまま生かすことが出来ない結果、大幅なストーリーカットによって乗り切ろうとしたんじゃないかな?

もし、これをいい感じになるように対応するとしたら、ストーリーの部分的な要素を変更する、いわゆる「原作改変」を断行するしかないんだよね。

 

だからもし、他の作品が映像化されたときに原作改変があったとしても、それは「映像化する上で原作をそのまま再現出来ない事情があるからしている」ということを考慮してみる必要があるよね。

(もっとも、大人の事情で改変する事もあるけどね。それについてはだったら最初からやるなよとは思うけど……w)

 

演出

演出に関しては、サスペンスや伏線の部分に関してかなり頑張って演出を付けていたように思うね。

実は2話ぐらいからエルナがひっそりと居て、8人いるのが伏線として分かるように作られていたり、他の部分でもミステリー要素の部分にはきちんとした伏線が張られていて良かったよね。

だた、人物描写に関する表現については無駄で無意味な表現が多くて残念だったかな。

これは、特に2nd seasonで顕著で、マティルダや紫蟻のシーンで特にそう思ったかな。

まずマティルダについては、ネットでよく言われるサイコパスキャラを表現するために、敢えて白目をむかせた「アヘ顔」っぽい表情にさせていたんだけど、あれはちょっとないな~っと思ったよね。

マティルダのサイコパスな怖さを伝えるなら、あんな気が触れたような表情じゃなく、自分に不都合な人間を消すことの何が悪いのかが分からないって表情にするために、むしろ真顔で瞳のハイライトを消すとかしていた方が、サイコパスみを感じたと思うんだよね。

 

また、紫蟻のスタンバトンの使い方もイマイチスマートじゃないなぁ~と思ったよね。

紫蟻のスタンバトンには、殴ることで他人恐怖心を与え、使役できるという、人を恐怖に落とし入れる道具」という位置づけがあるにも拘らず家族への脅迫だったり、SMのご褒美っぽく見えたりと、人によって使い方が変わっているせいで、スタンバトン、もっと言えば、紫蟻を畏怖する理由がボヤけてしまっているんだよね。

(まぁ、SMに関しては言葉の綾的な感じなのかもしれないけど、だとしてもあのシーンには似つかないし物語上の必要性は感じないよね。)

 

特に家族を人質にされたボクサー関しては非常にどう読み解くべきか難しいんだよね。

人質を取って相手に何かを要求するって短期であれば有効だけど、長期間となると相手側が「人質を解放する気はない」と思い行動し無くなったり、あるいは逃がすために抵抗したりすると思うんだよね。

また、そもそもボクサーを最初っから殴った方が早くないか?って思っちゃうんだよね。

それを踏まえた上でボクサーのシーンを見ると、あの演出を入れてしまったせいで、「家族を人質に取られているのに、長期間解放するための行動を一切起こしていない」って捉えるしかないんだよね。

この部分に関しても、何らかの設定があるのかもしれないけど、物語で要素を持たせている小道具の設定を潰してまでやる理由って何なの?とは思うよね。

(家族のために戦うジビアとの対比なのかもしれないけど、それでもスマートな演出って感じがしない。)

 

とまあ、人を恐怖に落とし入れる道具という位置づけがあるスタンバトンを演出で潰してしまっていて、映像演出を齧った身としては「なんでそんなことをするんだろう」っと思っちゃうんだよね。

 

この部分が原作ではどう描かれているのかについては存じないけど、設定を演出で潰すぐらいなら、そんな演出はやらないって判断も必要だと思うんだよね。

 

映像技術・音楽

所謂作画方面では、毎回顔が違うといったような壊滅的な作画崩壊は無かったかな。

一方、アクションシーンがあるアニメなんだけど、あまりそういうシーンで見せ場的な派手な動きとか、印象に残るようなシーンは無かった気がする。

音楽についても、決して悪いということもないけど、印象に残る劇伴もなかったかなぁ~。

この辺については良くも悪くも「普通」と言った感じ。
強いて言うならアクションシーンがあるのに、動きにインパクトが無かったかなぁ~と言った感じかなぁ~。

 


個人的な感想

評価としてはかなり厳しいことを書いているけど、個人的にはそこまで嫌いじゃない作品だったかなぁ~と思う。

特にお色気系のシーンでの作画は力が入っていて良かったwww

 

ただ、元々の期待も大きい作品だったので、そういう「色仕掛け」みたいなところではなく、ストーリーや演出で魅せる展開が欲しいと思うよね。

 

また、2期に関してはアネットの件は意外性が多くて見ごたえがあったかなぁ~。

最終回を見た感じではここからストーリーが面白くなりそうな感じだから、続編が放送されたときは視聴したいかな?

 


最後に

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「東雲あかり」
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