行っておかえり

行っておかえり

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さとな /

2022/04/8 18:25 | 729 文字

毎朝

「いってきます」って言うと

かならず｢行っておかえり」と言う祖母

｢行っておかえり？なんじゃそりゃ？むかしの日本語？」

ちょっと、からかうように笑いながら返事をしていた学生時代の私。

そして、家から出てすぐの、急な坂道を駆けおりながら

｢おばーちゃん、今は"いってらっしゃい"って言うんよ！いってきまーす」

祖母「はいはい、行っておかえり」

毎日同じようなやりとりをしながら

おばあちゃんの言うヘンテコリンな｢いっておかえり」には気にもとめず通学していた。

ある日、家を出るまでに時間があったから、ふと

「なんで行っておかえりって言うん？」って聞いてみた

すると…

｢無事に行って、無事に帰っておいでと言う意味なんじゃ、戦争の時代やこうは、行ったら帰ってくるのは当たり前じゃなかったんじゃ、さとなが分かるのはまだ先じゃろうでぇ。ハッハッハッ」

私｢ふーん（ヘンなの）」

聞いておいて｢ふーん」は無いだろうと今になってごめん、おばあちゃんと思う。

そうか。

毎朝、坂道を降りる前で、私が通学する時間に必ずいてくれたのは

「ケガをせず、無事に生きて帰っておいで」の想いからだったんだ！

って気がついたのは、もうおばあちゃんには会えない時代になってからのこと…

あのね、おばあちゃん

今は私が「行っておかえり」って言ってるんだよ。

我が子に「無事に学校に行って、無事に家に帰っておいで」の想いを込めて毎朝大切につかってるよ。

教えてくれてありがとう。

今、子どもたちには「いっておかえり？なにそれ」って言われてるけどね！笑