日本の教え「行間を読む」
日本の教え「行間を読む」
日本の古い書物には「、」点や「。」丸といった句読点がありません。
明治時代から西洋文化が入ってきて、文章を読みやすくするために「.」ピリオドや「,」カンマの代わりに句読点が使われるようになりました。
「古事記」なら漢字ばかりがならんでいるのですが、例えば漢字7文字「於是天神諸命以」を「ここに あまつかみ もろもろの みこともちて」と読むのか、「ここにおいては あまつかみ もろもろのみことをもちて」と読むのか、他の読みかたもありますが、読み手がイメージを膨らませ「行間を読む力」によって読み方が変わってきます。
現在は、句読点があるのがあたりまえになっているので、行間を読む必要などなく、皆が同じように読み解き理解しています。
意味をはっきりさせるために句読点をつけたということです。
ちょっと年賀状や結婚式、賞状、感謝状など、お祝いごとの文書を思い出してください。
縁起の良いことやおめでたいことには区切りをつけないよう、句読点はつけません。
「あけましておめでとうございます」これもあけましてで「、」点を打つ人はいません。
「ご結婚おめでとうございます」「ご卒業おめでとうございます」言葉の途中に「、」点はつけません。これらは昔から自然と目にしてきたので、誰も「、」点がないことに違和感がありません。
区切りをつけないというゲン担ぎの他にも、句読点を使わない理由があります。
それは「相手に敬意を表すため」です。句読点を付けることは「、」点や「。」丸がないと文章が読めない人と相手を見下すことになるのであえて使わないということもあるようです。
私たちは、目に見える文章だけでは伝わらない相手の気持ちを察する「空気を読む」「行間を読む」という能力を持っていると感じました。
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