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奨学金の返済を免除して欲しくば「地元に戻って産め」。それが自民党。

奨学金の返済を免除して欲しくば「地元に戻って産め」。それが自民党。


かなりキモイ提案が自民党から出ています。

「美しい国」そして「伝統的な家族観(家父長制)」を強固なものとしたいのだという思惑がもろに全面に出ています。

奨学金減免と結婚出産を絡めてこようとしている?

このようなニュースが報じられました。

 

結婚出産で「奨学金減免」 自民、衛藤元少子化相:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

 自民党少子化対策調査会長の衛藤晟一元少子化対策担当相は13日、子ども政策に関する党会合で、奨学金の返済免除制度の導入を主張し「地方に帰って結婚したら減免、子どもを産んだらさらに減免する」と述べた。奨学金の返済に困っている人を支援する狙いだが、結婚や出産を条件にしており、批判が出る可能性がある。(後略)
2023.03.13 東京新聞

「結婚出産で減免」衛藤氏に批判 元少子化担当相、奨学金返済巡り:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)

自民党の会合で奨学金の返済減免を議論した際に、結婚や出産を条件とするような発言をした衛藤晟一元少子化対策担当相への批判が広がっている。有識者は「教育を受ける、妊娠出産の自己決定といった人権を無視している」と指摘。ネット上でも厳しい意見が相次いだ。(後略)
2023.03.14 東京新聞

更なる差別を増長する

根本的にアレですが、それは一旦さておいて。
この記事を読んだ限りでも、以下のような差別がたくさん紛れ込んでいます。

  • 学歴差別:大学に進学していなければならない(ちなみに、2022年度時点の大学進学率は全体で56.6%。女性のみだと53.4%)
  • 女性差別①:対象が女性のみ?(※)
  • 女性差別②:女性は上京せずに地元に帰るべきだ
  • 女性差別③:女性は出産するべきだ
  • その他の差別①:奨学金を受けない人のその理由もひとそれぞれであるにも関わらず、ひとくくりにしている
  • その他の差別②:結婚したにもかかわらず出産しないのは家計に非協力的だとされる?(※)


(※)
この報道だけだと女性だけが対象となっているような内容ですが、おそらく「家族単位で減免する」というイメージでいるのだと思います。同性婚も夫婦別姓も反対している自民党ですし。

そうすることで、男性から女性に対して、子どもを産むことを強制させやすくなるようにしようという目論見もあるような気がします。「お前が子どもを産むことに同意してくれれば、奨学金が減免されるんだよ?生活も少しは楽になるだろ?だから子供を作ろう」的な。

というのも、自民党の改憲内容は「日本の最小単位は個人ではなく家族。家族で助け合うこと」ですからね。(現憲法では「個人」が尊重される内容になっています。)

憲法第24条 改憲草案において新たに追加される条文

家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。

(特に)女性が地方に戻らない・戻れないのは?

「産んだら」だけではなく「地方に戻ったら」という条件まで追加してきたことが更にきもさを増長しているこの発言。

そもそも論として、女性が地方になかなか戻らないのは

  • 就職先が少ない
  • 都会よりも男女差別がきつい(賃金格差も含め)

というのもあるんですよね。

戻りたくもない。あるいは戻りたくても戻れない。

どちらにせよ、そういった環境を整備することを放棄している・・・・・というよりは、「女は家に入れ、賃金は安くても我慢せ、それよりも産めよ育てよ」というのが根本的にあることが察せられます。

批判しないマスコミメディア

上記で紹介した東京新聞記事においても、「東京新聞」としては批判していません。

13日の報道では「批判が出る可能性がある」。続報の14日にいたっては「ネット上でも厳しい意見が相次いだ」等と、ネットの様子を流しただけで済ませています。

自民党の広告塔となり、「はい、読者の皆さん、どうでしょうか~?」と丸投げ状態です。例に挙げたのは東京新聞ですが、他のマスコミも総じてそのような感じです。

はるか昔だったら、マスコミが先導を切って批判してくれたのでしょうが、もう完全に牙を抜かれた状態のようです。


その中で、批判する文章も入れてくれたのはFLASHしか見つかりませんでした。
※FLASHはこのように締めくくっています。「借金しなければ受けられない高等教育の費用見直しのほうが、先ではないだろうか。」

衛藤晟一氏とは?

日本会議のメンバーです(中心人物とのこと)
また、第二次安倍内閣にて補佐官を務めていた人物です。

 

あとがき

そもそも学費を下げるか学費免除を検討すればいいだけのことであり。また、奨学金にしてもあり方を考え直し、「働く前から否応なしに借金を背負わされてしまう状態」を無くすべきではないでしょうか。

そういった基本的な事を考えず、全てを少子化問題にスライドさせる・結びつけようとするその思考がとにかく気持ち悪いです。

しかも二重にも三重にも気持ち悪いのが「女性をとにかく産む機会にさせよう、地元に戻らせよう」というどうしようもない家父長制的な考えが根強いことです。


結婚出産の「場所」も、いや、それ以前にするしないは各々の自由です。その自由さえも奪おうとし、「自民党の言うことを聞いた人だけにご褒美をあげますよ」という日本社会にしようとしているのだということ。それが自民党が見ている「美しい国」です。


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