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魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-05 ☸ ハルカの冒険者服

魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-05 ☸ ハルカの冒険者服


魔法外科医は癒やし系少年~あらすじ

魔法外科医って結構、大変なお仕事。さらに転生者の受け入れまで。ほのぼのあり、シリアスあり、アクションあり、ギャグあり、ほどよくエッチもありの逆異世界転生ファンタジー。


<ロビ様、血管とかひとつずつ繋げていますけど、ぶわぁって治る治癒魔法というのは無いのですか?>
<あるよ。あるけど、あれ、障害が残るんだ>
<どういうことでしょうか?>
<切れた患部がぴったり合っていれば綺麗に治るんだけど、ずれているとそのまま治っちゃってリハビリが大変なんだ。特に太い血管や筋肉はちゃんとやらないと>
<なるほど、勝手に元通りになるわけじゃないんですね>
<そう。だから、障害を残さないよう、元通りに結合していくんだ>

(ハルカの世界では、魔法って、随分と便利なものと解釈されているんだな)


※本小説は、「小説になろう」、「カクヨム」、「アルファポリス」、「ノベルバ」、「ノベルビア」にも投稿しておりますので、お好みのサイトで読んでいただければ幸いです。

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魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-05 ☸ ハルカの冒険者服

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 今日は週の五日目で、明日は週末で二連休である。

 

「ねえ、ロビ。お泊り会はまた今度ね。明日、楽しみだわ。ティラーナ教授と一緒に魔法道具マジックアイテム工房の見学に行けるなんて。普通の生徒じゃ入れないのよ。ウォレサレル家でも魔法道具マジックアイテムを作っているけど、古代魔法道具アーティファクトのレプリカは作っていないからとても興味があるの」

「お兄様、ボクも楽しみです。王都内にある魔法や魔術に関する研究成果が保管されている資料館にも連れて行ってくれるそうです」

「うんうん、それは良かったね。お泊り会は必ず開くから、また今度ね」

 

 ロビはメイア達と別れて王立学院から下宿に帰宅した。ハルカはメイド服を着ており、召使いの仕事がすっかりなじんできたようだ。

 

「ロビ様、お帰りなさいませ」

「うん、ただいま。ハルカは、どんどん言葉お覚えていくね。すごいよ」

 

 ロビはハルカの帽子を撫でた。ハルカの耳を除けばロビの方が少し背が高い。

 

「ロビ様、今日、ハルカの冒険者服が届きました。あの、早く着せてみたいのですが」

「うん、じゃあ今日は格闘練習は無しで、今から着てもらおうかな」

「ハルカ、部屋に行きましょう。私が着方を教えます」

「ダリア、お願いします。ロビ様、見る、したいですか?」

「うん、見たい。もし依頼を受けている間に脱ぐことがあったら、着せる時に手伝うこともあるかもしれないし」

 

 ダリアとハルカ、ロビの三人はハルカ部屋に入った。ハルカはメイド服を全部脱ぎ、全裸になった。

 

(ハルカ、僕とダリアの前だと恥ずかしくないのかな)

 

 ダリアは最初にハルカの股間を拭いた。なんだかダリアはうれしそうでにこにこしている。そして順番に服を渡していき、ハルカはダリアに教えてもらいながら着始めた。

 

(あ、ショートパンツの中に布を当てるんだ。あれは数日かかる依頼の場合は交換用のものを持っていかないといけないな)

 

 洋服全体は、赤紫色と黒のツートンでデザインされており、ロビが冒険者として活動している時の服装と同じ色遣いになっている。袖は無く、肘に防具、そこから手の甲まで伸びた布。足も同様に、膝に防具、そこからブーツの足元まで布で覆われている。

 

 本物の獣人族の耳かどうかわからないようにするため、獣耳の付いたピンクサファイア色の長いウイッグを被る。ウイッグには細いベルトが付いており、顎にしっかり固定できるようになっている。また、ベルトが目立たないようウイッグには長い髪飾りが編み込まれている。

 

 一緒に仕立てたマントのフードの下にポケットがあって帽子が入っており、帽子と入れ替えてウイッグを収納する。

 

 尻尾はメイド服を着る時と同じメッシュの筒で細くし、腰の後ろに付けた薄いウエストポーチの中に収納している。ウエストポーチは武具を装備するベルトの邪魔にならないよう、低い位置にショートパンツに直接固定するようになっている。

 

 首には伸縮性のあるネックウォーマー風の薄い布があり、顔の下半分を隠せる。最後に着た上着は袖は無く襟が立っており、背中の部分はうなじに生えた髪のために切り込みが入っているが、ウイッグで見えないようになっている。

 

 これなら、獣人の姿を真似をしているのか、本当に獣人族なのか見分けがつかない。

 

「ハルカ、とても似合っているわ。さすが、ロビ様がデザインされた服です。私もあと五歳若ければ」

「ハルカ、かっこよくてかわいいよ」

「ありがとうございます」

「ダリア、冒険者として付き合ってくれるなら、君も同じような服、注文するよ。ダリアは胸が大きいから、もっとこう、大人の女って感じで。きっと似合うよ」

「ロビ様、顔がにやけています。もっとキリっとしてください」

 

<ロビ様、あの、ちょっと露出度、高すぎませんか?>

 

 ハルカが念話で話しかけた。

 

 確かに全部着ても上半身は胸以外の肌がチラチラと見え、へそは丸見え状態、ショートパンツもかなりロータイプでしかも短い。

 

<でも、ハルカが思い出した書物の獣人族って、こんな感じだったよ>

<あれはラノベのキャラクターで、その、実際に着るとちょっと恥ずかしいです……>

<大丈夫、ヒト族の冒険者でも、結構、こういう恰好している人いるから>

<本当ですか?>

<うん。君の世界の書物はとても興味深い。本当にこの世界を観たみたいだ>

<でも、やっぱり、ちょっと恥ずかしいです>

 

 『ちょっと』ではなく、『かなり』恥ずかしそうなハルカである。

 

<じゃあ、明日、冒険者ギルドへ登録に行こう>

<はい、わかりました>

<魔石獣狩りはしないから、心配しなくていいよ>

<あの、冒険者登録よりも、この服の方が気になります>

 

「ロビ様、メイド服、着替える、します」

「うん。じゃあリビングに戻るね」

「はい」

 

 ロビとダリアはリビングに戻った。

 

「ダリア、ウグルス、ハルカの教育の方はどう?」

「それはもう、とても優秀です。きっと育ちのいい獣人族なのでしょう」

 

 ウグルスが答えた。

 

「私の知らない色々な調理方法を知っています。ハルカと話をしていると料理の幅が広がります。ハルカがもっと言葉を覚えてくれたら、他国の色々な料理レシピの話ができるのではないかと期待してしまい、ついつい教える方も力が入ってしまいます」

「そう、ハルカも大変だ。でも料理の話ばかりじゃなくて、ちゃんと文化とかも教えてね」

「はい、もちろんです」



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 夕食後、ロビは三人に話し始めた。

 

「ハルカのことだけど、明日、冒険者登録をしてくるね」

「あの、ロビ様、冒険者登録は構いませんが、ロビ様はどうして危険な依頼も受けているのですか?」

「うーん、お小遣いが欲しいし、危険度の高い依頼は良質の魔石が手に入ることが多いし、あと、他の冒険者に死んでほしくないからかな」

 

 ナンチェリの冒険者ランクは五である。最高ランクは九なので、それほど高くはない。しかし、冒険者ギルドでは強い冒険者として頼られている。冒険者ランクが低いのは依頼を月に数件程度しか受けていないからである。

 

「ロビ様、あまり危険なことはなさらないでください」

「うん、大丈夫だよ。それで、今まで受けていた依頼の一部をハルカにやってもらおうかなって思っているんだ」

「そうですか。ということは、召使い、格闘練習相手、そして冒険者がハルカの役割ですね」

「僕が受ける依頼は深夜のものが多いから、ハルカが仕事をした日はお休みにしてあげて欲しい。いいかな」

「かしこまりました」

「それから、ティラーナ教授に来てもらってハルカの国のことを調べたら、数年後、ハルカの国から何人か迷い込んでくる可能性が高いことがわかったんだ。その時はクルーガ家で保護し、ハルカに先生をしてもらうので、大陸公用語と文化の勉強はしっかり時間を取ってあげてほしい」

「かしこまりました。旦那様にはお伝えしますか?」

「うん、お願い。ハルカもそれでいいかい?」

 

 ロビは、話をするのと同時に念話でもハルカに話しかけていた。

 

「はい。かしこまりました」

「じゃあ、明日、冒険者ギルドに行くので、朝一番、馬を二体、用意しておいて。あと、ウグルス、水筒だけお願い」

「かしこまりました」

 

 その後、皆、お湯で身体をきれいにすると、ロビはハルカを連れて自室に戻り、大陸公用語を教え始めた。

 

<ねえ、ハルカ。ハルカが思い浮かべた書物の中にはちょっといやらしい感じの書物もあったけど、ニホンでは普通に売っているの?>

<え、あの、忘れてください>

 

(『接触念話コンタクトカム』)

 

 ロビは自分の額をハルカの額に押し付けた。

 

<そう、これとかそれとか。書物の表紙に刺激的な絵が描いてある>

<もう、忘れてほしいものに限って思い出してしまいます>

<どのお店でも売っているの?>

<いえ、この本は駅の地下一階にあるお店で買いました>

<へー、ちょっと思い出してみて。なんか四角くて高い建物だね>

<はい、上の方はホテルになっています>

<宿屋なんだ。え?階段が動いているよ。これ、奴隷が中で回しているの?>

<いえ、電気の力で動いています>

<雷の力?それはすごいね。ここがお店だね>

<はい。たくさんの本が並んでいます>

<どの書物も薄くて小さいんだ。すごい技術。あ、なんか女性の裸がいっぱい>

<ロビ様、そこは見てはいけません、十八禁です>

<でも、ハルカが思い出せるということは見たってことだよね?>

<……そうです。ちょっとだけチラっと……>



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 ロビは早朝、ダリアの部屋に行き、ドアをノックした。

 

「ダリア、おはよう。朝早くにごめん」

「どういたしましたか?」

「昨日、馬を二体ってお願いしたけど、四体にしてくれる?魔石も回収してくる」

「はい、わかりました」

 

(ハルカの冒険者登録ができたら、魔石回収はハルカに頼めるようになるからちょっと楽になる。それにしてもウリシア王国、大変だよな。人口増加だけじゃなくて、魔石獣の増加もすごいもんな)

 

 今日、行く予定の冒険者ギルドは、王都ウリシアルから最も近い辺境冒険者ギルドである。ウリシア王国は、ヒト族の生活圏に多数現れる魔石獣対策として、複数の辺境警備団を設置したが、それだけでは手が足らず、冒険者ギルドの運営許可も出している。

 

「あ、ダリア」

「はい、何でしょうか?」

「あそこにあるやつって、上級者用愛玩具リビドグッズ?」

「え、あ、あの……」

 

 ダリアは顔を真っ赤にした。

 

「ねえ、なんで棒が二本も付いているの?」

「ま、前と、う……あの、また今度、説明致します」

「うん、楽しみにしているよ。じゃあ、朝食まで部屋に戻るね」

 

 いつもより早い時間の朝食を終えると、ロビとハルカは着替えをするため、それぞれの部屋に戻った。ロビはすぐに着替えると工房に行き、魔法鍵マジックキー付きの棚から双輝鋭刃ツインズカッターを取り出した。

 聖蛇短剣スネイクダガーはハルカにプレゼントしたのでハルカの部屋に保管してあり、ここにはもう無い。ロビはベルトに付いている予備の魔力莢カートリッジ用のホルダー全部に魔力莢カートリッジを詰めた。

 

(さてと、ハルカの冒険者初期登録ランク、いくつになるか楽しみ)

 



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理系Hラノベ作家みならい。主にアニメ実況感想レビュー。ネタバレしない程度にレビュー記事を書いています。記事を読んでからアニメを観てい頂ければ感動?をシェアできること間違いなし!
申し遅れましたが名前は綿串天兵(WATAKUSi SOLABe:ワタクシソラベ)です。

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