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魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-06 ☸ ソメイも発情期

魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-06 ☸ ソメイも発情期


魔法外科医は癒やし系少年~あらすじ

魔法外科医って結構、大変なお仕事。さらに転生者の受け入れまで。ほのぼのあり、シリアスあり、アクションあり、ギャグあり、ほどよくエッチもありの逆異世界転生ファンタジー。


<ロビ様、血管とかひとつずつ繋げていますけど、ぶわぁって治る治癒魔法というのは無いのですか?>
<あるよ。あるけど、あれ、障害が残るんだ>
<どういうことでしょうか?>
<切れた患部がぴったり合っていれば綺麗に治るんだけど、ずれているとそのまま治っちゃってリハビリが大変なんだ。特に太い血管や筋肉はちゃんとやらないと>
<なるほど、勝手に元通りになるわけじゃないんですね>
<そう。だから、障害を残さないよう、元通りに結合していくんだ>

(ハルカの世界では、魔法って、随分と便利なものと解釈されているんだな)


※本小説は、「小説になろう」、「カクヨム」、「アルファポリス」、「ノベルバ」、「ノベルビア」にも投稿しておりますので、お好みのサイトで読んでいただければ幸いです。

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魔法外科医は癒やし系少年~涼波ハルカの進撃-06 ☸ ソメイも発情期

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 ロビは自分の工房から武具を取ってくると、ハルカの部屋に行きドアをノックした。

 

「ハルカ、着替え終わった?」

「はい、着替え、終わりました」

「じゃあ、入るね」

 

 ロビはハルカの部屋に入った。ソメイの服を来たハルカはウイッグではなく、獣耳を隠すための帽子をかぶっている。

 

<やっぱり恥ずかしいです……>

<よく似合っているよ。あとね、これ、普段はこうやっておくんだ>

 

 ロビは、ハルカの上着を脱がしてひっくり返して着せた。そして肘の防具から伸びている布を手の甲から外し、布をひっくり返しながら肩の留め具にかけた。同じように、膝の防具からブーツの横に伸びている布をブーツから外し、布をひっくり返しながら太ももの方へ持ち上げ、ショートパンツの横に付いている留め具にかけた。

 

 これで全体が赤紫色と黒のツートンカラーだったのが、白色と淡いピンクの別の服に変わった。

 

<ロビ様、これって?>

<リバーシブルになっているんだ。こうすると防具も隠れて普通の服っぽく見える。街中を抜けるときはこの色で、冒険者ギルドが近づいたらまた元に戻すんだ>

<はい、わかりました>

<そうだ、ハルカ>

<はい>

 

(『召喚サモン、ハルカ』)

 

<あれ?>

<どうしましたか?>

<しまった……>

<あの……>

<前に召喚サモンしたよね。喚返リターンしてなかった>

<今、喚返リターンするとどうなるんですか>

喚返リターンした場所に戻っちゃう>

<どうしましょうか?>

<ちょっと遠回りだけど、前に登った山に寄って、一度、喚返リターンをする。じゃあ、急ごうか>

<はい、わかりました>

 

「ロビ様、先日も襲撃事件がありました。ここ一年、本当に物騒になっていますのでお気を付けください」

「うん、双輝鋭刃ツインズカッター、すぐ抜けるよう、もう装備してあるから。じゃあ、ダリア、ウグルス、行ってきます」

「行ってきます」

 

 今日は、ハルカも大陸公用語で挨拶をした。マントを羽織ったロビとハルカはそれぞれ馬に乗り、一体ずつ馬を従えて出発した。



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 冒険者ギルドと召喚契約をした山はちょっと寄り道する程度で、それほど道は外れない。山道に入ると、前回来た時と同じ場所で馬を木につないだ。

 

<ハルカ、今から喚返リターンするからね。前にブルフィグトを治療した場所に移動する。もし何か危険なことがあったら、すぐに念話で話しかけて>

<あ、その前に、布を替えさせてください>

<え、なんの布?>

 

 ハルカはちょっとうつむき頬を赤らめた。

 

<あの、あそこの当て布です>

<そんなに濡れちゃうの?>

<改めて聞かないでください。獣人族の身体ですから>

<ごめんごめん>

<あの、してもらっていいですか?>

<うん>

 

 ハルカはウエストポーチとショートパンツをつないでいるフックを外し、尻尾用の切れ目の入ったショートパンツを降ろし木に手を付いた。

 ウエストポーチは一見、腰に巻いているようにみえるが、実際にはショートパンツにつながっている。中には尻尾が入っているので、今は尻尾だけでポーチが支えられている状態である。

 

<ハルカ、もう少しお尻を突き出して>

<はい>

 

 ハルカは木に付いた手を低い位置に移動し、上半身を水平に近くなるようにした。ロビはハルカのマントをまくった。

 

「いいかな」

「来てください」

 

<ロビ様、気持ちいいです。以前、ロビ様に丁寧にして頂いて以来、感覚が変わりました>

<そうなんだ。それはよかった。僕も気持ちいいよ>

<ロビ様、キスして頂いていいですか?>

 

 ハルカは木に手を付いた姿勢のままロビの方を見た。ロビはハルカにキスをした。

 

<ハルカとのキスはとても気持ちいいよ>

<異世界のハルカとどっちが気持ちいいですか?>

<異世界のハルカの方がときめくかな。獣人のハルカは満たされる感じだよ>

<そうですか、それは良かったです>

 

 事が終わるとハルカはロビに背を向けた。マントを着ているため、ロビからはゴソゴソしているようにしか見えない。

 

<ロビ様、終わりました>

<じゃあ、頂上で落ち合おう>

<でも、ロビ様の足でも、頂上までは三十分ぐらいかかりますよね?>

<実は、もっと早く行ける魔法があるんだ。それでも五分ぐらいはかかるけど>

<わかりました>

<それじゃ、頂上でね>

 

(『喚返リターン、ハルカ』)

 

<ロビ様、危険はありません>

<そう、良かった。じゃあ、頂上まで戻ってくれる?僕も頂上に向かうから>

 

(まあ、ハルカが一人で下山すればいいんだけど、密漁団のこともあったら、一応だよね。さて、登るか。『転移スワップ』)

 

 ロビは上空から頂上の広場を確認した。

 

(『増強筋肉能力エンチャントマッスル』、『増強骨エンチャント格強度ストラクト』、『転移スワップ』)

 

 ロビは頂上の広場に着地した。

 

(痛たた、うう、強化していても痛い。風魔法で飛ぶと轟音がしちゃうし……。転移スワップだと落下の勢いが付いちゃって着地がきつい)

 

 ロビは足をさすりながらしばし考えていた。

 

(あれ?あ、そうか、先に強化してから上空に転移スワップすればいいんだ。なんでこんな簡単なことに気が付かなかったんだろう)

 

 十分ほどしてハルカが頂上に現れた。

 

「やあ、ハルカ、遅かったね」

「ロビ様、速いです。どうやって来る、しましたか?」

「医療魔法も色々な使い道があってね。ほら」

 

(『発動ラウンチ空気圧縮コンプレッション』)

 

 目の前の大きな岩の下に魔法陣が現れ、何かが破裂するような大きな音と共に岩が飛び上がった。ハルカは反射的にロビの後ろに隠れた。

 

<今のは患者さんの肺に空気を送り込む魔法なんだけど、強くするとこんな風にできるんだ>

<あの、それで自分をジャンプさせるのですか?>

<うん、そう>

<患者さん、身体が爆発しそうです>

<うーん、やぶ医者だとあるかも……じゃあ、降りようか>

<はい>



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 二人は馬をつないでいる木のところまで戻ると、着替え始めた。

 

 ロビは一旦マントを脱いで上着をひっくり返し、赤紫色側を表にした。そしてピアスに指を触れ、ピンクサファイア色の髪と目の色に変えた。マントもリバーシブルになっている。

 

「ロビ様、色、ちょっとわかります」

「意識共存が上手くいっているってことだね」

 

 そしてロビは両腕に皮の防具を巻いた。

 

 ハルカもマントを脱ぎ、両肩のホックと腰のホックを外し、それぞれの布を伸ばして、手の甲、ブーツにひっかけて形を整えた。そして上着をひっくり返して着直し、帽子の代わりにウイッグをかぶった。

 

 ロビは、ハルカに近づき、獣耳あたりのウイッグの位置を調整し、マントをひっくり返してハルカに着せた。

 

「うん、よく似合っているよ。そうだ、この服の時は『ナンチェリ』って呼んでね」

「ナンチェリ様」

「『様』は要らないよ。ナンチェリだけでいいよ」

「はい、ナンチェリ」

「あと、ナンチェリは魔法は使えない冒険者だからね」

「わかりました」

「それから、この名前はダリア達には秘密」

「はい」

 

<ナンチェリ>

<なーに?>

<顔を隠して怪しまれないんですか?>

<うん、もっと怪しい冒険者もいるよ>

 

「さあ、ハルカ、行こうか」

「はい」

 

 二人は馬に乗り、再び一体ずつ馬を従えて馬を走らせ始めた。

 

<ソメイ、どう?辺境もいいところだよ。ここはエリクという街なんだ。北に第三辺境警備団がある。ちょっと用事があるから帰りに寄るね>

<はい、王都とはまた違った街並みで、賑わっていますね>

<うん、エリクはまだ無名だけど、美味しいワインがあるよ。ここ数年は冒険者がたくさん来て活気のある街なんだ>

<ところでナンチェリ、視線が気になるのですが。私の服装と関係ありますか?>

<ううん、馬に乗っているから。馬は高価だから、冒険者はほどんと乗っていないんだよ>

 

 冒険者ギルドが入っている大きな宿屋に着くと、ナンチェリとソメイは馬から降り、宿屋の前で待機していた馬世話役に手綱たづなを渡した。そして宿屋の上を見上げた。

 

 屋根の上にいたナイトホークはロビのそばに舞い降りてきた。ナンチェリは左腕を伸ばしてナイトホークをとまらせた。

 

「ララ、元気だった?」

「ララ、こんにちは。今は、ソメイです。よろしくお願いします」

 

 ソメイは大陸公用語で話しかけた。意味が通じたかどうかはわからないが、ララはソメイを見て首を傾げる仕草をした。

 

<ソメイ、ララは単に飼いならしているということにしているから覚えておいてね>

<はい、契約は無しですね>

<うん、それから、撫でてあげて。喜ぶよ>

<はい>

 

 ナンチェリとソメイは、しばしナイトホークを撫でていた。ナイトホークは鋭い表情をしているが、首を伸ばしたり、大きな翼をゆっくり広げ、時には足を延ばして喜んでいるようだ。

 

<肩には乗らないのですか?>

<ララが肩に乗ると、大きすぎて羽ばたけなくなっちゃうんだ。前に頭の上に乗っちゃったことがあって、その時は、頭が血だらけになっちゃったよ>

 

 ソメイはナイトホークの爪を触ってみて、なるほどという顔をした。

 

「じゃ、ララ、またしばらく頼む」

 

 ナンチェリがそう話しかけると、ナイトホークは再び屋根の上に戻った。

 

<魔石獣の出現状況とかを、ララを通じて確認しているんだよ>

<そうなんですか>

<あとね、ギルドマスターから連絡を受ける時にも使っているんだよ。時々、手紙の入った書簡筒を足に付けて伝書行動をすることもあるんだ>

<伝書ダヴみたいですね。でも、どうやってギルドマスターはララを呼ぶんですか?>

<確証は無いけど、ギルドマスターはヒト族じゃない>

<どういうことですか?>

<ま、皆、色々あるんだよ>

 

 ナンチェリはソメイの顔を見て、にこりと笑った。

 

 

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理系Hラノベ作家みならい。主にアニメ実況感想レビュー。ネタバレしない程度にレビュー記事を書いています。記事を読んでからアニメを観てい頂ければ感動?をシェアできること間違いなし!
申し遅れましたが名前は綿串天兵(WATAKUSi SOLABe:ワタクシソラベ)です。

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