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シナリオ~シチュエーションボイス~職業編魔法使い

シナリオ~シチュエーションボイス~職業編魔法使い


私が魔法を使わない理由
【作品紹介】
私は魔法を使えます。でも一度も使ったことがありません。その魔法は、一度きりしか使えません。そう聞いて譲っていただきました。確証はありません。
【本編】
私は魔法を使える。
だが、私はまだ魔法を一度も使ったことがない。
そう、教わってから、長い、長い年月が過ぎた。
魔法使いなら、何故使わないのかと、聞きたくなるのは私も同じだ。
何故なら、私は魔法使いではないからだ。
私は当たり前のように大人になり、当たり前のように仕事に就き、当たり前のように家庭を持ち、当たり前のように苦労をした。
苦労をした?
苦労する前に、魔法でなんとかすれば良かったのにと、思わなかったの?
他人事のように、私もそう思う。
だけど、私はどんな困難なときも魔法は使わなかった。
何故?と思うかい。
思うだろうねえ。
使わなかったから、今の自分があると思っている。
地位も名声も手に入れることができた。
私はこの魔法は使わないでおくよ。
死ぬまでね。
良かったら、お譲りするよ。
但し、魔法は、お譲りした後にお伝えすることになっているからね。
良く考えてからにしたほうがよいよ。
私はこの魔法を譲っていただいて良かったと思っている。
使っていないのに?と、不思議に思うだろうが、あなたもきっとそう思うよ…。きっとね。
おやっ、あなたはこの魔法はいらないのかい?
そう、じゃあ、縁がなかったということで、私の命はあと幾ばくもないからねえ、気が変わったら早めにお越しください。
では。
この扉を閉める前に必ずあの青年はやってくる。
ほらっ、やっぱり…。
私もそうしたから…。
あなたでこの魔法をお譲りするのは100回目らしいですよ。
私が99回目だったのでね。そう聞いてますよ。
あなたはこの魔法を使うのでしょうかね。
ふふっ楽しみですね。
では、はい。お譲りしましたよ。
この魔法はね…。
…。
そう、そういうことです。
そんなあって、わかります。私もそう思いましたからね。
あなたの未来はあなた次第です。
では、失礼しますよ。
ふふっ…あははは…。
 
2022年9月11日日曜日 唯李😊⚜️
 

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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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