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something cold、somebody famous、someone else (6)

something cold、somebody famous、someone else (6)


前回
https://topview.jp/t632525109e7af-6087
の続きです。

「something、somebody、someone にかかる形容詞の後置修飾」に対する(見かけ上の)反例↓
“This is a little something for you.”
をどう考えるか、という問題提起に対して、

○ 上例のような例は言わば「婉曲用法的な」「名詞としての」something(≒ present/gift)

であって、かつ、

通常の代名詞の something よりも熟して「1語」になっている(some- と -thing の間の切れ目が感じられなくなっている)

という点を見ました。そして、以上の分析を支持する状況証拠として、この用法が許容されるのは、something(≒ present/gift)のみであって、somebody、someone にはこうした用法は<通常>見られないという点も指摘しました。

ただし、次に見るような、似て非なる紛らわしい用法にも是非とも注目したいものです。

Tom is really something!
トムは大した男だ。
 [「大した者、ひとかどの人物、相当な人物、無視できない奴、いっぱしの者、名うての者」]
Tom thinks himself to be (a) somebody.
トムは自分を偉いとうぬぼれている。
It’s entirely something to have persuaded them to come.
連中を説得して来させたのは大成功だ。
[「大した事、大成功」]

こうした用法では、冠詞があったりなかったりで、<名詞と代名詞の中間的な用法>と見做すことができるのですが、しかしこの用法で最も大事な点は:

意味上の要請により「卓立が置かれる形ではっきりと読まれる」

という点です。この点、

“This is a little something for you.” などの場合は「卓立が置かれない」(もしも置いてしまったら、「不遜な感じ」がして婉曲用法になり得ない)
というケースとの対比がちょっと面白いですね。

このトピックは奥深いトピックであって、実はもう少し付け足すことがあるのですが、それは次回までのお楽しみということで...。

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