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短編小説『あいつ』

短編小説『あいつ』


タイトル『あいつ』
 
あいつ
 
どこへ行ったんだ。
 
消えた。
 
闇夜に光るあの光るものの正体はなんなのか、それを暴けばは大金持ちになれると、あいつが言った。
 
あいつって、誰だよ…。
 
あいつも、言っていたな。
 
あいつに聞いておけば良かったよ…。
 
そう言ってあいつはいなくなった。
 
だから、気になるんだよ。
気になってしょうがないんだよ。
 
とうとうここまで来てしまった。
 
あの先に光るあの正体はなんなんだ。
 
あいつは、一体どこへ行ったんだ。
 
ひょっとしたら、大金持ちになって、俺から離れていったのかもしれない。
 
そう思ったらいても立ってもいられない。
 
俺もあいつのように居なくなるかもしれない。
 
俺が居なくなったところで、悲しむやつは、あいつだけだ。
だから、あいつのいない今の俺はいないも同然だ。
 
だから、行くしかないんだよ。
 
光の向こうで、うごめいている影が見えた。
 
何かを叫んでいるようにも、誘っているようにも見える。
 
俺は迷うことなく先に進んだ。
 
あいつのいる世界へと飛び込めると信じて。
 
 
光の主
『哀れな生命体よ、ようこそ、🈚の空洞へ』
 
2022年10月8日土曜日 唯李😊⚜️



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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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