メイン画像

元塾講師が教える 高校入試に関する塾の上手な使い方

元塾講師が教える 高校入試に関する塾の上手な使い方


塾へ通う大きな目的は成績向上。
そしてその先にある志望校合格です。

成績向上に関してはうまく塾を利用できている方がほとんどです。
しかし、志望校合格については今一つ使い切れていない感じがします。

そこで、この記事を読んでうまく塾を活用してください。

1.事前相談

私立高校受験については、全国的に事前相談が行われています。
事前相談を簡単に説明すると、中学校の普段の成績を事前提出し、高校側から合格の可能性を聞くというものです。

この事前相談は、塾と高校の間で先行して実施し、それが終わってから中学校と高校の間で実施します。

つまり、塾をうまく利用すれば志望校合格の可能性を、いち早く知ることができるというわけですね。
塾での事前相談は、概ね11月~12月に行います。

事前相談については、下記の記事に詳しく書いています。
https://topview.jp/t62a2fdff93a1c-3854

2.オープンキャンパス日程

塾は高校と非常につながりが深いです。
担当エリアの高校のオープンキャンパス日程はすべて取得しています。

春~夏の段階では志望校を1つに絞り切れていません。
塾からオープンキャンパスの日程を聞いて、複数訪問できるように日程調整しましょう。

オープンキャンパスに参加すると、高校側があなたの名前をマークします。
つまり「かなり前から投稿に興味を持っていた人」と認識されるわけですね。

高校によっては塾名も記入してほしいと言ってきます。
これは私立高校と塾のつながりをとても重視している証拠です。

あなたがオープンキャンパスに参加したら、高校から塾にお礼の連絡があります。
こういう形で、塾は陰からサポートしてくれるのです。

3.偏差値情報

一般的に行われる模試。
関西なら進研V模試や五ツ木模試が有名ですね。

偏差値というのは模試によって大きく変動します。
たとえばA模試では偏差値60だったのに、B模試では50ということもあります。
また同じA模試でも、第一回は55で第二回は60だったりします。
学力自体はそれほど変わっていなくても。です。

ですから模試の種類や受験した回によって特定の高校の合格偏差値は大きくぶれるわけですね。

もちろん模試を受けた際に、複数の高校を志望校として記載できるので、個人でもある程度の高校間比較は可能です。

しかし誰にとっても受験は初めての経験です。
結果として、どの偏差値を信用していいか、わらなくなりますよね。
しかし、安心してください。

塾は担当範囲の全高校に関する偏差値情報を持っています。
模試によっては、分厚い冊子で情報一覧を塾に送付してきます。

ですから、自分では志望校として記載しなかった高校の合格可能性も塾にお願いすると簡単に判定できるのです。

4.都道府県外受験

塾は隣接圏の高校の情報も保持しています。
もちろん過去問なども保有していることが多いです。

県境などにお住まいの方は、他府県の私立高校を受験することもあるでしょう。
例えば大阪、兵庫、京都の塾では、受験生の多くに奈良県の受験を勧めています。

これは大阪、兵庫、京都の私立高校は同日受験なのに対し、奈良県は日程が異なるためです。

こういった情報も塾からうまく引き出してください。
例えば大阪の私立高校が本命だとした場合、奈良県のどの高校を受験するのが適切なのかを教えてくれます。

大阪の場合は、数日前に奈良県の同レベルの高校を受験し、後で大阪の高校を受験するといった戦略がとられます。

5.費用支援など

少子化の影響で私立高校は受験生と生徒の確保に躍起です。
最近は奨学金が充実していたり、様々な形で費用支援を展開している高校があります。

いくら国や自治体から学費が出るからと言っても、私立高校は学費以外が結構かかります。
制服、教材、施設費、修学旅行、高校生同士のつきあいなどなど。
公立高校と比べると、全部が少しずつ高くなっています。

こういった部分を高校側が負担してでも優秀な生徒を集めたいのは当たり前ですよね。
優秀な生徒は、偏差値の高い大学へ進学する可能性が高いです。
長い目で見ると、次の募集にプラスの効果をもたらしてくれるからです。
だからお金を払ってでも、優秀な生徒を集めたいわけです。

ただし、こういった支援を受けるには、志望校を1~2ランク落とす必要があります。
なぜなら成績上位層の特定条件を満たした人に対してだけ支援が実施されるからです。

これらの情報を塾からうまく引き出して、費用の心配を少なくしたいところですよね。

6.パンフレット入手

塾には毎年高校から大量のパンフレットが届きます。
全部陳列できないほどです。

並べきれなかったパンフレットは、保管されていますので、塾の先生に聞いてみてください。
もし手元になくても、取り寄せてくれると思います。

最近はネットで閲覧したり、ダウンロードしたりできるので、それほど価値を感じないかもしれません。
しかし、スマホやパソコンで見るのと、紙のパンフレットを見るのでは、明らかに印象が違います。

当然ですが、紙パンフレットの方がイメージの解像度は高くなります。
実際に受験する高校を選ぶのですから、少しでもイメージを膨らませておきたいものですね。

7.過去問

塾を卒業していった人が、赤本を寄付してくれることがあります。
少し古いし、誰かが使ったものですが、使わない手はありません。
また、数日間貸与してくれることもあります。

高校によっては塾に対して過去問を無償配布しているところもあります。
出題傾向を見るだけなら、そういう資料をうまく利用すると良いでしょう。

8.大学進学実績

最近は大学進学率が相当高くなってきています。
高校に進学する生徒の多くは大学受験を志すことでしょう。

そんな時に気になるのが、志望高校の大学進学実績ですね。
このあたりの資料も、塾側に頼めば難なく入手することができます。

もちろん多くの高校はWEBで進学実績を公開しています。

9.推薦枠、提携校

私立高校は大学の附属のところがたくさんあります。
高校名に冠しているところもありますよね。

仮に校名に大学との連携が明示されていない場合でも、連携校などがある場合が多いです。
また連携とは謳っていなくても、大学側と太いパイプを持っている高校はたくさんあります。

そして私立高校の最大のメリットは大学への推薦枠をたくさんもっていることです。
いわゆる指定校推薦枠ですね。

指定校推薦とは、大学側から高校側に対して
「成績が〇〇以上の生徒を、〇人推薦してください」
というもので、年内に結果が決まることがほとんどです。
1月以降の受験をしなくても合格を勝ち取れる枠です。

高校によっては、指定校推薦枠を使い切っていません。
余っている状態の高校があるというわけですね。

そういった情報をうまく聞き出すのも塾の上手な利用法の一つです。
この情報はWEBでは公開されていません。

まとめ

いかがでしたか?
どうせ塾に通って同じ金額を払うのなら、とことん利用しましょう。
塾によっては全部対応してくれないところもあるでしょう。

しかし、やってみてできないことと、知らないでできないことは違います。

ぜひうまく利用して志望校合格を勝ち取って下さい。


アカウントを作成 して、もっと沢山の記事を読みませんか?


この記事が気に入ったら 受験生が読むWEB さんを応援しませんか?
メッセージを添えてチップを送ることができます。


この記事にコメントをしてみませんか?


元塾講師です。大阪や奈良の進学塾で講師をしていました。塾の裏側、受験対策、効率的・効果的な勉強方法など、受験生や保護者の方々のお役に立つ記事を書いていきます。

おすすめの記事