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#18【葛飾北斎】富嶽三十六景「登戶浦」

#18【葛飾北斎】富嶽三十六景「登戶浦」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

鳥居は神域への入り口を示しています。
数える時は「基(き)」です。

今回は二基の鳥居が描かれており
見応えのある絵となっています!

葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる
 

富嶽三十六景「登戶浦(のぼとのうら)」


大小の鳥居が印象的です。
潮干狩りをする人々が
生き生きと描かれています!

登戶浦(のぼとのうら)

千葉市中央区「登戸神社」から見た
景色が描かれています。
鳥居は登戸神社のもの。

「登戸浦」は地名で
江戸に海産物を輸送する拠点でした。

富士山
鳥居の中に収めるような構図。
うすく赤い雲がかかり
夕方だと分かります。

富士山

「潮干狩り」は
江戸時代「汐干狩」(しおひがり)と
書いていました。

「汐」という字は夕方の海の満ち引きを
あらわしているので
絵の雰囲気と同じですね。
(^^♪

追いかけっこする子供
いつの時代も子供は元気で
微笑ましい光景です。

子供

潮干狩りは江戸時代に
庶民のレジャーになったと
いわれています。

「浮世絵 潮干狩り」で
画像検索すると
かなり多くの絵があると分かりました。

潮干狩りが
江戸時代の庶民の楽しみだったことが
分かります。

現代も地域に愛される登戸神社

千葉市中央区登戸にある
登戸神社。

それは愛称で本来は
「登渡神社」(とわたりじんじゃ)と
いうそうです。

北斎の富嶽三十六景「登戸浦」の
モデルとして有名なほか、
現代もお正月は多く参拝者があり
地元の方に愛されています。

江戸時代に見えた海は
現在は埋め立てられ見えません。
埋め立てられた場所あたりは
タワーと人工ビーチがありました。

千葉ポートタワー

千葉

千葉ポートビーチ
潮干狩りが楽しめる!
(3月~7月)

千葉

江戸時代と同じく
このあたりで潮干狩りができるのですね!
(^^♪
もし潮干狩りをするときは
千葉県海面漁業調整規則と
千葉ポートパークのルールを守ること、
安全に考慮してお願いいたします。

北斎の構図「近接拡大法」


今回の北斎の構図では
「近接拡大法」で
近くのものをより大きく!
描かれています。

構図

また、鳥居は「投影図」
富士山や遠景は「遠近法」
と普通は合わさることのない図法を
組み合わせています。

投影図・・・立体を平面であらわす
遠近法・・・立体を立体的にあらわす

構図も題材も
北斎の手の中で踊らされているような
完璧な一枚!!だと思います。

(全ての絵がそうですが・・・
語彙力が乏しくてすみません!!)

以上「富嶽三十六景 登戸浦」でした。
次回「富嶽三十六景 常州牛堀(じょうしゅううしぼり)」の解説です。

お楽しみに!!
(^^♪

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