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昭和なスナックの日常15

昭和なスナックの日常15


小説風 本当にあったお話
ある夜のとあるスナックでの出来事。
 
そこは昭和な雰囲気のスナック。
レトロ感漂う店内。
お客が15、6人も入れば満席になる。
そんな店内に今夜もお客がやってきた。
 
今夜もいつものように扉が開く。
カラン、カランと音がする。
そしていつものようにママが声を掛ける。

ママ
「いらっしゃいませ」

マーさん
「今夜はすーさんは、来てないのかい?」

マーさんは、椅子に座るなりママに聞く。

ママ
「今夜は来てないですよ、見ればおわかりかと…」
「それに、すーさんはいつ来るかわかりませんよ」

マーさん
「そうかぁ」
と、マーさんは残念そうにつぶやく。

ママは思い出した。
この間、喧嘩したと話していたから、会わない方がよいのではと。

ところが、マーさんから変なお願いをされるママだった。

マーさん
「ママ、お願いがある、すーさんとの間を取り持ってくれないだろうか」
と、マーさんがママをすがるように見る。

ママはすかさず、断わる。

ママ
「嫌ですよ。すーさんは怒ってますからね、そんな人との間なんか、取り持つことなんてできませんよ」

マーさん
「そんなことを言わずに、ねっ、すーさんと遊びたいんだよ」
と、マーさんは続ける。

なんとまあ、子供かと言いたくなるわがままっぷり。

大喧嘩の末、もう二度とマーさんのお店には行かないと言われたはず。

ママは知っている。
すーさんが、他所のお店に通っていることを。

マーさんには言わないでおく。

ママはたまに、
今度誰々が来たら、伝えておいてって、伝言を頼まれる。

ママの記憶力が凄いのはわかるが、直接言えばということも多々ある。
それでもママは、しっかりメモしたりして対応してくれる。

でも、今回みたいな喧嘩の仲裁はやらない。
男女間は犬も食わない話しだが、男同士は尚も面倒。
女性同士より、ややこしい。
お酒が入るから尚更。

飲酒中の喧嘩は両成敗が基本だが、両方とも納得しないことが多い。

だって、ママに肩を持って欲しいのよ。
ここへやってくる紳士の皆さまは。

端で見ていると、なんともまあ恥ずかしい光景。
当の本人はわからないのです。
俺が正しい、俺の方が正しいという、子供じみたやり取りのお話でした。

皆さん、お気をつけください。
お酒はほどほどにね。
あまりひどいと出禁ですよ。

今夜の話はいかがでしたか?
 
非日常が日常のスナックでの一夜の出来事を面白く小説風に描いていきます。
 
よろしかったら、「昭和なスナックの日常」の常連さんになりませんか?
 
 
~今回はここまで~
 
   2022年6月14日火曜日
 
      ライター:唯李
 
 
 
 




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唯李(ゆり)と申します。
stand.fmでオリジナル小説を朗読しています。
小説はモノガタリードットコムでアップしているものです。

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