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凍結マダム Ⅺ

凍結マダム Ⅺ



         飼い猫を誘拐された嘆き

彼女の投稿内容は毎回同じだった。庭先で車でさらわれた愛猫を返せと!猫泥棒を必ず捕まえると!
何年か前の事件であり警察にも届けたらしい。
彼女の住んでいる辺りでは同様の事件は多発しており犯人グループは近県から盗みに来ているだろうと予測された。
あまりにも毎日のように投稿が続くせいか或る女性が彼女にコメントした。

もう忘れて他の猫を飼ったらいい、その猫はもう生きてないかも。

その時の飼い主の反応は凄まじかった。生きていないってどういうこと?
コメした彼女の返答が信じられなかった。
三味線の皮になったか動物実験に使われたかもしれない、だって。
愛猫がいなくなって憔悴している人間に余計なことをコメする人もいるものだと呆れた記憶がある。慰めるのなら、きっとどこかで幸せに暮らしいているよ、とでも言うべきではないのだろうか。ひとかけらの救いを残してやれれば良かったのに。結局両者はブロックしあった。
実は私は何度か飼い主とやり取りをしている。早く猫が戻ってきますように、と伝えた。あとはクラファンのことを質問されたからお答えした。
その方面は明るいのだ。
最近の現状は知らないが吉報があることを心より願う。
同じような嘆きの呟きはもう見たくない。

 
           病床からの嘆き

病気やケガで投稿する方もいた。自分も脳梗塞で入院していたからわかるのだが闘病生活は辛い。思うようにコトバを操れないしカラダもスムーズに動かない。回復する見込みがあるうちはまだいいがドクターに匙を投げられたら、やはり絶望してしまうだろう。
しかし余命宣告受けた人が不死鳥のように生きながらえている例は私の周りに実際にある。希望は最後まで捨ててはならないと思う。
ココロの病は体と同じくらい闇が深いかもしれない。
ある女性の一人語り的な投稿は印象的だ。
父母両方の毒親に育てられ、兄からは彼女が小学生高学年の頃から性虐待を受けていたと切々と訴えかけている。両親に訴えたが世間に絶対口外するなとナグるケルの暴力を受けたらしい。彼女のトラウマはいかばかりか想像できない。もしかしたら親兄弟は前世から決められた宿命のエネミーだったのかもしれないと想像する。
今は親兄弟から離れて自活している彼女の呟きが忘れられない。
 
「生きるのがしんどい」

世の中にはたいへんな思いをしながら生き抜いている人がたくさんいることを甘ちゃんの私はつくづく思い知らされました。
次回はツイッター上の私がハマった大喜利の話をします。

                  (つづく)




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関西出身
東京女子大文理学部卒
ハウスマヌカン、派遣業、塾、コンパニオンなど様々な職歴
最近はバーのママをしていたが脳梗塞で倒れて閉業
現在リハビリ中
痴と知の融合、境界型の人間

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