元塾講師が教える 新人講師必見 一次関数の教え方
元塾講師が教える 新人講師必見 一次関数の教え方
中学2年生の山場の一つである一次関数。
うまく理解できれば、3年生の二次関数も楽々クリアできます。
受験でもよく出題されるので、マスターしておきたいところですね。
初めて一次関数を教える場合は、以下のシナリオに沿って教えると、理解してもらいやすいです。
最初に「関数」を固定
「一次関数とはy=ax+bのことで…」と始めると生徒は「??」の嵐に巻き込まれたまま、沈没してしまいます。
まずは、「関数」とはどんなものかを体で理解してもらいましょう。
実はこの固定が一番重要です。
仕込み
個別指導で講師と生徒が1対1の状況を想定しています。
準備するものは、紙2枚と、筆記用具のみ。
1枚の紙を講師だけが見える位置隠して置きます。
紙①とします。
もう一枚を生徒、講師ともに見える位置に置きます。
紙②とします。
講師:今から一次関数の勉強をします。
でも、その前に関数ってどんなものかを理解しましょう。
講師:少し準備するから、待ってね
※「y = 2x + 3」と紙①に大きく書いて隠しておきます
※何か書いていることがわかるように大げさに!
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
生徒の学力によっては、いきなりy=ax+bにせずに、
y=axから仕込みをすることを考えてください。
その後に、+bを付け加えて、もう一周してもいいでしょう。◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
講師:先生が関数役をするから、2~9までの好きな数字を言ってみて
※1~にすると傾き(a)が実感しにくいので2からが◎
生徒:3
講師:9
※ 3 → 9 と紙②に書きます
講師:じゃあ、もう一つ言ってみて
生徒:5
講師:13
※ 同様に 5 → 13 と紙②に書きます
講師:次がラストの数字ね
生徒:7
講師:17
※ 7 → 17
この時点で紙②には次のように書いてあるはずです。
3 → 9
5 → 13
7 → 17
これで仕込みは完了です。
種明かし
講師:先生がどういう計算をしたか考えてみて
生徒:私が言った数を2倍して3を足している
講師:すばらしい!正解です!
講師:実は最初に書いた式があって(と言いつつ紙①を見せる)
3、5、7と実際に紙①を見ながら計算して確かめる。
講師:こんな感じで、何か値を与えると計算して結果を返してくれるものを「関数」といいます。
講師:では今度は〇〇さんが、関数の役をやってみて。
という感じで、紙①を渡して立場を入れ替えてやってもらいます。
「一次」のおさらい
中学1年生で一次、二次については学習しています。
しかし、必ず覚えているかどうか確認しましょう。
この時「覚えてる?」という質問はダメです。
うろ覚えでも「Yes」と返事する生徒はたくさんいます。
必ず「一次と二次について説明してみて」としましょう。
生徒がうまく説明できない場合は、講師から復習を入れてください。
「一次関数」とは何か
講師:「一次」も「関数」も分かったと思います。
講師:簡単に言うと、何らかの数字を渡してあげると計算をして答えを出してくれるのが関数。そして、その関数の計算式が一次式のものを一次関数といいます。
ここで、今講師が説明したことを生徒にそのまま、もう一度言わせることがポイントです。
指導時間は限られているとは思いますが、できるだけ生徒自身にアウトプットさせるようにします。
ここから教科書的な内容
講師:一次関数を式で書くと、 y = ax + b です。
※紙①に元の式と位置を合わせて書きます。下のようになります。
説明しやすいように、式1、式2と書き加えましょう。
y = 2x + 3 ・・・式1
y = ax + b ・・・式2
講師:式1と式2から、aが2で、bが3ですね。
講師:aを傾きといいます。これ超重要です。式1だと2ですね。
講師:bを切片といいます。これも超重要。式1だと3です。
ここから先は
グラフに描画し、傾きと切片について説明します。
傾きがマイナスの場合を説明します。
2点の座標を通る一次関数のグラフを書かせます。
描画済みのグラフを式にします。
という感じで進めてください。
まとめ
大切なことは、関数の概念をしっかりと理解してから内容に入っていくことです。これを怠ると、大失敗します。
そして、既習事項を生徒が理解しているかどうかを確認しましょう。
その際、必ず生徒自身の口で説明させること。
生徒の「わかっている」が「理解している」とかけ離れている場合もありますから、口頭説明は大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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