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#6【葛飾北斎】富嶽三十六景「深川万年橋下」

#6【葛飾北斎】富嶽三十六景「深川万年橋下」


皆様こんにちは!
絵画インストラクターの松本です。

「富嶽三十六景」を
江戸時代にタイムスリップしたかのように
楽しんでいただきたいと思っております。

今回は
釣りをする人や大勢の賑わいが描かれています。

今も昔も変わらない人々の生活があったのだと
なんだか嬉しく思いました!
(^v^)


葛飾北斎ってどんな画家?
  • 江戸本所割下水にうまれる(1760-1849)
  • 浮世絵(木版画)の風景画というジャンルを築く
  • 画狂老人と呼ぶほど絵に人生を捧げる
  • 引っ越し93回!
  • 金銭管理が下手で画料はほぼ借金返済に
浮世絵「富嶽三十六景」って?
  • 全46枚!
  • 当初は36枚の予定が人気が出たため10枚追加された
  • 富士山を色々な場所から描く
  • 鮮やかな青「ベロ藍」プルシアンブルーの使用
  • 西欧諸国でジャポニスム(日本趣味)の要因となる

富嶽三十六景「深川万年橋下」ふかがわまんねんばしした

深川萬年橋下

万年橋のアーチと、空と川のベロ藍が美しい1枚です!
また橋の上の喧噪と端の下の釣り人のゆったりした静が対照的ですね。

富士山

橋の下から見える雄大な富士山
富士山


摺師のぼかしの技術が光ります。
空

石垣
両岸は石垣で高くなっています。
洪水対策。
石垣

万年橋(萬年橋)
江戸深川に架けられた橋。
小名木川と隅田川の合流する地点に架けられました。
人々の往来でにぎわっています。

太鼓橋(太鼓のようにアーチがある)で
船が通りやすくなっています。
万年橋


舳先が富士を向いており視線誘導の役割。
船

釣り人

釣り人


深川万年橋下は東京都江東区清澄二丁目


万年橋

鉄筋コンクリートの橋は1930年に開通しました。
北斎の描いた橋とアーチの形状が同じですね!

萬年橋

橋の長さは56.25m。
1923年の関東大震災時は木製でした。
地震は耐えましたが老朽化と
復興計画により現在の姿となっています。

橋桁の奥に富士山!北斎の斬新な構図と三ツ割法

橋桁の奥に富士山が見えることで臨場感がありますね。
また北斎の「三ツ割法」(画面を三つに分ける方法)で画面がまとまっています。

三ツ割法

三ツ割法の下の線に遠近法の消失点があることと、
船の先が富士山を向くことで、
富士山を見るように視線誘導がされています。

すごく勉強になります~。(^^♪

写生をしてから描いたのか記憶や想像を合わせて描いたのか。
ハッとする魅力的な構図をどうしたら思いつくのかと思いました。

以上、深川万年橋下の解説でした!
次回は「富嶽三十六景 五百らかん寺さゞゐどう」(ごひゃくらかんじさざえどう)の解説です。

お楽しみに!


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