メイン画像

性的同意等について。2023年5月16日の国会における、SHELLYさんの部分の書き起こし

性的同意等について。2023年5月16日の国会における、SHELLYさんの部分の書き起こし


昨日(2023年5月16日)の国会(衆議院 法務委員会)で行われた「同意ない性行為は的確に処罰する」など性犯罪の成立要件を見直す刑法改正案の審議に、SHELLYさんも参考人として参加しました。

SHELLYさんの発言を「活字(書き起こし)」として残そうと思います。動画が苦手な人、是非。

なお、少しでも読みやすいよう、そして意味がつかみやすいよう、句読点や改行、そして太文字による強調等を適宜入れています。また、相槌みたいな言葉は削除しました。

審議そのものの中身について

書き起こしにはいる前に。

この日の審議は、性犯罪の成立要件を見直す刑法改正案についてでした。

  • 「強制性交罪」を「不同意性交罪」に変更すること
  • 年齢の引き上げ(13歳未満→16歳未満へ)
  • 犯罪が成立する要件の見直し(具体化)
  • 従来の「暴行・脅迫」以外にも「アルコール・薬物の摂取」等、8つの行為を含める
  • 「同意しない」ことを示すことが難しいとされる状況下での性行為を処罰の対象とする

■8つの行為とは

  1. 暴行・脅迫による性交
  2. 心身の障害を利用した、または障害を与えた性交等
  3. アルコールや薬種を利用した性交等(酩酊状態にする、既に酩酊状態にある)
  4. 意識不明瞭にさせる、または既に意識不明瞭状態にある人への性交等(睡眠中を襲うも含む)
  5. 相手の気をそらしたり、他の事に気を取られている(もしくは集中している)時に不意打ちで行う性交等
  6. 予想と異なる事態に直面させて驚させたり怖がらせたりし、不同意を表明できなくさせての性交
  7. あらゆる虐待に関する心理的反応を利用した性交等
  8. 経済的・社会的関係上の地位を利用した性交等

1回目の質疑:性同意はYES means YES

皆さんこんにちは。タレントをしておりますSHELLYと申します。よろしくお願いします。

今日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございます。私はタレントのお仕事をしながら、ライフワークとして性教育をやらせていただいております。

雑誌やラジオテレビで発信するのはもちろんなんですけれども。

性教育というのは今まさに性経験も積み始めている、またこれから積み始めようとしている世代にいち早く正しい情報を届けるのが大事と思いまして、YouTubeという若い人たちが一番使ってるだろうところに向けて。私はYouTubeのチャンネルを作って、訴求チャンネルを作って発信しているんですけれども。

私自身もですね、ちょっとごめんなさいね、失礼しました。

私自身も日本の義務教育公立の小中、そして高校を出てまして。日本の学校で受けた性教育、とてもじゃないですけれども、今役立ってるなぁとは思うような内容ではありませんでした。

ということでですね、私はそれ以降大人になっていろいろな話を聞いて。

セックスによるネガティブな経験をする人を一人でも減らしたいという思いでいろいろ性教育を伝えています。

YouTubeをやっていますと、本当に若い世代からの声が直接届いたり、メッセージコメントという形で届くんです。

けれども実は2年ほど前に、まさに今日のお話の議題になっている性交同意年齢についての動画を配信しました。

で、その動画も本当に反響もとても大きかったんですが、今日はせっかくなのでその動画にいただいたコメントをいくつか紹介させていただきたいと思います。

 

『18歳の時に被害に遭いました。
性的同意教育を受けていなかったので、被害だとすぐには分かりませんでした。辛すぎて被害だと認めたくなかったのもあります。PTSDを発症し始めてようやく、あれは間違ったことだったのだと確信し始めましたが、それをレイプだと呼ぶのに被害から2年かかりました。

小さい頃から性的同意を習っていれば、性被害にあったのだとすぐに気づいただろうし、加害者との距離をすぐに取れただろうと思います。

18歳だった私が
理解できなかったことを、13歳の子供が理解できるわけがない。早く法改正してほしいです』

 

同意年齢が13歳、中1なのに、文部科学省は中学生では教える必要がないってすごく矛盾していませんか。

性について何も知らない子供が自分で判断できるわけがない。恥ずかしいですが、自分が17歳の時もそうでした。同意年齢なんて初めて聞きましたし、そのような矛盾に全く気づきませんでした。

日本の性教育は遅れているということをはっきり実感できました。

 

『中3女子です。
私はSHELLYさんの動画を見るまでは、何か大人の方にされても、
児童ポルノ法みたいなもので、男性側が一発アウトだと思っていました。でも性的同意年齢という法律があると聞いて、その瞬間めちゃくちゃ鳥肌が立ちました。

幸いに今まで自分は男性に何かされるということはなかったからこそ、何かに守られていると思った盾がなくなってしまって、めちゃくちゃぞくぞくとしました。

今自分は18歳ですが、性的同意年齢という
のがあるのをこの動画で初めて知りまし。 実際、自分の友人の何人かはそのような被害を受けたことがあります。

友人の一人が電車で痴漢に遭遇してしまった時がありました。された直後に、私に彼女は電話してきて、泣きながらすごい動揺しながら、助けてと言っていました。あの時の彼女の恐怖に怯えている声は忘れられません。

でも 彼女は警察に被害届を出すこともなく次の
日から何事もなかったかのように過ごしています。彼女は今は何事もなかったように振る舞っていますが、やはりどこかで痴漢の被害にあった恐怖を抑えながら苦しんでいるのではないかと思います。

私はそのような被害にあったことがないので分かりませんが、18歳の私でもその友人でもわからないし、恐怖がたくさんです。なのに13歳の年齢なんてもっと危険だろうし、恐怖感が強くなってしまうと思います。

被害の届け出先である警察また法律を作る人たちなど、 男性ばかりなのも問題だと思います。そんなことないですよね。10代女性が力で抵抗なんて物理的に不可能ですし、著しく抵抗できるかどうかは頭が冷静な状態の成人男性だけです。

政府は理にかなった対応が可能な法改正に取り組んでいくべきです。政治家たちが本気でそういう恋愛もあるって主張してるのほんと気持ち悪い

 

もうやめましょうかね。気持ち悪いとかに私の言葉じゃないですからね、コメントです。

とにかく本当にいろんな意見をいただきました。やっぱり法改正を望む声、そしてこの動画だけじゃなくて本当にいろんな動画に必ずついてくるコメントは、性的同意をそもそも知らなかったって いうコメントが本当に多いんですよね。

なので、ここで改めて、もう皆さんはご存知と思いますけれど、 改めて性的同意のお話をさせていただきたいと思います。

 

性的同意というのは、すべての行為に、毎回、今ここで私はあなたとこの行為がしたい、という確認を取ることです。

 

同意を取るということ自体、日本だとちょっとまだ馴染みがないかもしれません。もちろん世代別で見たら、大人の世代になればなるほど、ちょっとそこの理解が少ないのかなという感覚もあります。

 

夫婦だから。
付き合って長いし。
もう我々はツーカーだから。
言葉で1日確認するなんてそんなの粋じゃないよ。
ムード壊れるじゃん。

 

て思われてる方が加害者になる可能性があるので、気をつけていただきたいと思います。

 

性的同意といえば「NO means NO」

皆さん聞いたことあると思います。

嫌と言ったらそこまで。

お酒を飲んでようが、
彼のお家に遊びに行こうが、
2人でホテルに
入ろうが、
性行為がある程度始まって二人とも裸で行為が進んでいてたとしても、

「やっぱやめよう。もうここまでにしよう」ってどっちかが言えばストップ。そこまで。それ以上したら性暴行です。

 

この理解を本当にとにかく早く進めたいと思っています。ただ実は、これももう一昔前の話です。今は「YES means YES」のみが同意という理解が進んでいます。

なぜなら。

Noと言えない人がいます。
Noと言えない関係性があります。
Noと言えない
状況もあります。

なので、「したい」「しようよ」という積極的な同意のみが同意というふうに捉えられるというのが、今世界的な理解になっています。

 

「いやよいやよ(も好きのうち)」という言葉も、もうこの現行の法律ができた明治時代の話ですので、そんなことを言っていろんな被害者を傷つけたり増やしたりするようなことはもうやめましょう。

 

性犯罪の話になるとなぜか決まって、

お酒も飲んでたんでしょ?
彼の家に行ってたんでしょ?
そんな時間に出歩いてたの?
どんな服
着てたの?
それってレイプなのかな?
それ性暴行なのかな?

と、
被害者を疑うような声が上がることがあります。なぜなんでしょうか。

 

実はですね、ロサンゼル市警が2014年 行った調査では、虚偽と証明された事件は届出されたレイプ事件の約5%未満という数字が報告されています。

これは実は国際的な調査で出た数字と一貫性が取れているということなので、世界的に性犯罪の虚偽申請虚偽の届け出というのは5%未満くらいだということなんですよね。

 

つまり、性被害について人は嘘をつかないんです。大事なことなんでもう一度、もう一度言いますね。性被害についていくらでも嘘はつきません。

 

はい。性被害者を生まないための教育。このものは実は存在しないんですね。

被害者を生まない教育じゃなくて加害者を生まないための教育、こういう教育、包括的な性教育というのが本当に必要なんです。そしてもう一つ必要なのは被害者をしっかり守る法律です。

 

今のままではまだまだ被害者をしっかり守る姿勢は 足りてないと私は思います。

 

性交同意年齢引き上げます。
過去、条件付きで、条件が必要なのでしょうか。皆さん思い出してください、10代の頃(の事を)。少しお時間あげますね。ちょっと昔でしたよね。

 

中学の時の1個上って、めちゃくちゃ先輩でしたよね。もっと言うと、3月4月の誕生日が1ヶ月ずれて学年がずれただけで、敬語を使う関係性、学校の中の縦社会。
この年齢差が1つ違うだけでこんなにこう上下
関係が生じるのに、5歳離れないとこの対等な関係性じゃないということは証明できないっていうのはちょっと日本には本当に合わない数字だなと私は思いました。

 

中学生ぐらいは無条件で守りましょう。そのぐらいは今日みんなで大人たちで約束してあげましょう。

 

もう一つ、今回私が心配な点があります。
それは公訴時効についてです。

現状から5年引き延ばしというのはまだまだ短いと思います。公訴時効の停止を検討すべきだと思います。

 

今の引き伸ばしの エビデンスとされている資料を見させていただきました。無理やり性交などをされた被害を誰かに打ち明けたり相談した人52人に聞きました。少ない。

1億何千万人の国ですよね。この100年越しのこの法改正、52人の意見で決めちゃうんですか。ちょっとこれは正直私はやる気を感じなかったですね。本気でこれに取り組もうという体制のこの数字ではないなというふうに感じました。

 

本気で性暴力と向き合い無くそうとしている数字だったら、もっともっとちゃんと、しっかりしたアンケート取れると思います。

性的同意などの教育を受けてない子供は、そもそもその出来事が先ほどもお話ありましたけど、性暴力だということを認識するまでも時間もかかりますし、

その相手が、例えば親・兄弟・親戚・学校の先生コーチ…

身近な信頼する相手だったら、それを受け入れるのにもそこに向き合うのも時間がかかりますし、それをさらに自分の家族に打ち明けるのも、もう本当に容易なことじゃないということも想像つくと思います。

 

それを全て乗り越えて、やっとの思いで頑張って訴えるぞって出てきた人たちに、タイムアップ時間切れです残念ですって、門前払いするのだけはやめましょう。

 

今の性犯罪に対する法律はあまりにも甘すぎます。そもそも性犯罪と認められるのにハードルが高すぎます。

 

今回の見直しはもちろん時間もちょっとかかりましたけれども、本当に素晴らしいことだと思います。変えるために一生懸命努力してきてくださった皆さんに、本当に感謝しております。

せっかく100年越しでやるんですから、惜しい~ってならないように、しっかり被害者を守る法律を、そして今後は性加害を生まないための包括的な性教育をしっかりと進めて、性加害を撲滅していってほしいなと思います。

皆さん貴重なお時間ありがとうござい ました。

2回目の質疑:性被害者を守るにはやはり法整備から

現状、日本社会の性的同意への意識をどのように考えているのか?性的同意の意識を社会全体で向上させていくためにはどのようにすべきか?

という質問に対して。

そうですね、やっぱり「性的同意」というまずワードがすごく硬いので、なかなか広まらないという感覚もありますし、ただ、難しい言葉って使って使って当たり前になっていくと広まっていくと思いますし、

性的同意の根本で、やっぱりあの自分の体を大事にする、相手の体を大事にするリスペクトするというところだと思うので、リスペクトの気持ちは日本にはすごくしっかりあると思うんですけども、

それと身体というところが結びつくというのは、もう完全に教育だと思いますので、性的な話、セックスの話というのはやっぱり文化的にとてもタブー視されがちなので、お家でも親との会話の中でもなかなか出てこない部分ではあると思うんですけれども、

ここに関しては子供への教育だけじゃなくて、やっぱり大人たちの教育、大人たちの理解が進まないことには広まっていかないんではないかなと思います。

 

ただ、あの広めるための一番大きな要素もちろん教育もそうですけど、もう一つ先ほどお話しさせて いただいた法整備だと思います。

法律で、ルールでダメなんだよっていうのが国で明確に示してくれれば、ダメなんだということを、もちろん加害者側もそうですけど、

被害者も、こういう法律があるから我々は守られてる、やっぱりあれはダメだったんだおかしかったんだ、という風になると思うので、被害者を助けるためにはとにかくまずは法整備から。

 

で、そこから包括的な教育を性教育をまた進めていただければなと思います。

 

3回目の質疑:子ども達の「NO」を大切に

性的同意が一番進んでいるのはスウェーデン。例えば、行為の最中においても「No」と言われたらやめる。それが当たり前なんだ、という認識。

そのように、人々の認識を変えるためには、「YES means YES」へとなるようにするには?

先ほども大人への教育が大切というお話をさせていただいたんですけれども、

 

よく私、たとえ話で使わせていただくのが、その性的同意「NO means NO」というのを、とにかく、子どもたちの「NO」を大切にしなければならない尊重しなければならないという話をさせていただくんですけれども、もしかしたら皆さんも経験あるかもしれないんですけども、

例えば子供と遊んでいて、こちょこちょこちょとくすぐって「やだやだ やめてよやめてよ」って言っても、こちょこちょこちょってこう笑ってるからどんどんどんどんって楽しんで遊んでるつもりでも、嫌だっていう風に子供が言ってるので、本当はその時に1回やめてあげる。

これこそ性的同意の一番第一歩というか、子供の時にしっかり、

「あなたのNOには力があるんだよ」
「あなたの体のことを、大人の親の私が、親戚の私が、友達の私は、しっかり尊重してあげますよ」

ということを子供に教えることによって、子供はNOが言いやすくなる。自分のNOにはパワーがあるんだ。NOって言うと大人でもやめてくれるんだ、という自信もつくと思いますし、

大人もちゃんと、どんな子供に対しても

「あなたの体はあなたのものであって、私はその笑ってるからと
いうことで同意をもらえているというふうに勘違いはしてないわ、あなたのNOという言葉を信じますよ」

ということを双方で理解をすることによって、そういう家庭の中から、お家の中で学校の中でどんどんどんどん性的同意というものが形成されていくんではないかなと思ってい ます。

こういう本当にちょっとした遊びだったり、ちょっとしたことが将来的に性的同意というその性的なことをする時の相手を尊重するということにつながると思いますので、みんなでちょっとずつそういう意識を持っていただけたらなと思っています。

4回目の質疑:恋愛イコール性行為ではない

年齢差について、5歳差なら問題ないとかでいいのか?(13~15歳は加害者の年齢が5歳以上年上の場合が対象となるような改正)

例えば14歳と18歳ならいいのか?果たして対等と言えるのか?という問いかけに対して

海外で言うと、例えば18歳でピシッと線引きをして、その中でこの法律で守る部分を増やすことによって、じゃあ、あの飲酒運転みたいに「じゃあ君何歳なんだ」 って言ってこう取り締まっていくわけではないので、

被害にあったという人を守るというためなので、18歳と15歳14歳が恋愛できなくなるかというとそういうことではないですし、大前提、恋愛と性行為というのはイコールではないのでこの辺も しっかり皆さん考えていただいた上で、守る部分を広げるということを考えていただきたいなと思います。

 

まさに今の おっしゃったように日本では例えばピルもあの金額もすごく高いですし、若い子たちは本当に手に入れづらいです。

緊急避妊薬のOTC化ももう何年も話はずっと続いてますけど、全くこれをじゃあ進めるということも決定されていません。この月曜日にもまだまだその話は続いてましたけれども、またまたじゃあ部分的に、部分的にと、

女の子たちを、もうごめんなさいね、やっぱりセックスの話になると、リスクは圧倒的に女の子の体の負担が大きいので、その人たちを守るということを法律と、あといろんな整備で見せていってもらえないと、この今回のご改正案件というのは納得できるという国民は少ないと私は思います。

5回目の質疑:恐怖感における男女差は大きい

この改正法が施行されても、助けられない人はたくさんいるということを体感で話して欲しいという問いかけに対して

完全に個人的な感覚にはなってしまうんですけれども、実は数年前に、あの、パートナーとの会話から感じた男女差をちょっとお話しさせていただいていいですか。

夜2人で歩いている時に、

こういうところをなんかこう音楽聴きながら一人で歩くと気持ちいいよねなんて話をした時に、私が「女子がそんなことするわけないじゃん」と言った時に、「え、なんで」って彼がなったんですけども。

そこからいろいろ会話を進める中で、女性の中では当たり前にされている会話って、男性の耳に意外と届いてないんだなというのをこの年齢になって初めて知ったんですけど、

例えば夜道歩く時に電話をしてるふりをしたことが、多分女性はまあみんななんとなくしたことある。あと、耳をイヤホンみたいなもの入れて、一人で歩くってことはまあ基本絶対しない。

なんかここ茂みがあるから、なんかされた時に誰にも見られないから、あっち側の見通しのいい側に渡っとこうとか、なんかこの鍵、指に挟んだら武器になるかもみたいな、こういうことって本当に女性の中ではあるあるなんですよね。

 

小さい時から気をつけなさい、気をつけなさいそんな服着てたら、みたいなこと言われ続けて育っているこっちの人種と、そういうことを言われてない人だと、やっぱりその恐怖感みたいなものが全然違うんですけども、

それと同時に、男性となぜそういう会話をしないかと言った時に、やっぱりまず法律でこういうことが犯罪と認められていないというところで言っても仕方がないという諦めが本当に、日本の場合は大きいと思うんですね。

なので、言っても、まあそれ気のせいでは。気にしすぎだよ男がみんなそういう性犯罪者と思うなよ、みたいなことを言われた経験から、あ、この人に言っても多分伝わらないから言うのやめようという、多くの女性たちの感覚だと思うんですね。

なのでそんなことをずっと抱えながら生きた人が、本当に犯罪になった時にえっそんなと思うんじゃなくて、やっぱりって思うと思うんですよ。

やっぱりこういうことがあるのか、じゃあこれを誰かに言おう。でも疑われるかもどうしよう。と思ってそのまま飲み込んで。

さっきののコメントにもありましたけども、何もなかったように誰にも言わずにそのまま生きていくという人が本当に多いと思うんです。

法律が変わることによって、海外でのMeToo運動と同じように、こんなにいるんだそしてその声がみんな届いてみんなに聞かれてる、みんなが聞いてくれてる、疑わずに、そうかそうかっていうことを聞いて受け入れてくれてるという社会の動きがあれば、

本当にその今までもう痴漢なんてあるあるだよねと言って諦めていた人たちがもっと声を上げて、もっとこんなのを許さないという風に言いやすくなると思うので、

ごめんなさい、数では全然ないです、けれども女性はみんな何かしら自分自身も経験していたり、友達の話を聞いていたりするので、そんなこと今まで1回も聞いたことないという女性は少なくとも1人も私の周りにはいませんでした。

6回目の質疑:「日本語」で検索すると調査データが出てこない

諸海外の調査などについて

ここに関してはちょっと専門知識が全然ないので難しいんですけれども、あの個人的にいつもこYouTubeのために、とにかく数字があると伝わると思うので、いろんな確率論だったりとか数字を探すんですけども、本当に日本語では出てこないんですよね。

英語で検索するといろんな国のはレイプの犯罪率ですとか検挙率ですとか、そういうものが出てくるんですけれども、そういった意味ではとにかくやってほしい。

 

52人っていうの はどういうことだと言いましたけども、(※法改正にあたって参考にしたのが52人の意見)

やらないよりは52人の意見が聞けたというのは大事だと思うので、いろんな方法で学校でのこの情報は決して誰にもあなたが答えたというのはわからないですよという、しっかり機密が守られた状態で学校でやるですとか、

それこそSNSみたいなところでこうポチッと押せるような本当に簡易的なアンケートみたいなものもあるので、いろんな形でやってみて、いろんな数字がなんか似てきてるねっていうのがわかるだけでも、すごく見えてくると思うので、とにかくやってほしいと思います。

 

7回目の質疑:同意が取れてるか自信ない=同意が取れていないのと同じ

性的同意とはどういうことなのか?難しくないか?

はい、よくこの質問は私はセックスの話をしていると受けることが多いんですけれども、同意が取れてるかどうか自信がない時は、同意が取れてないと思ってほしいなと。

そこでイエスイエス、積極的な同意のみが同意。「したい、しようよ」いうのだけが同意ということです。「あ、いいよー」っていうのは同意じゃないんです。

なので、コミュニケーション能力がとにかく必要なので、自分のコミュニケーション能力に自信がない、これってもしかして本当はNoって言いたいのかな?言えてないのかな?という想像力が働かない人は 、毎回必ず言葉でしっかりと同意を取る。

で、言葉で同意を取るときに、相手に断れる空気を作ってあげる。いいんだよ全然無理しなくていいからね、今度でもいいし、今日はやめとこうよ。という空気、関係性を作るということが同意を取る上ではとても大切なことなので、

あの本当に、同じように法整備もすごく大事ですけど、 性的同意の理解のが進むことが本当に大事だと思います。

これが進めばここの不安はなくなると思います。

8回目の質疑:日本に性教育はない

日本社会における性教育のあり方、包括的な性教育のあり方について

はいご質問ありがとうございます。

まず日本の性教育のあり方ですけれども、日本に性教育はありません。皆さんも受けられたと思うんですけれども、私の時代はまだ、生理の話は男女別々で、女の子は生理の話を、男の子はサッカーをしてこいみたいなことだったんですけれども、

そういうところから実は始まってるんですよね。私たちのジェンダー バイアス「生理は女性の問題」。

生理用品というのは「汚物入れ」って書かれてたりするんですよね、トイレにあの。トイレットペーパーの話はできるけど、生理用品を、例えばコンビニで買うと、何か袋で隠されて。早く持って帰りなさみたいな、

なんかこういうところから、女性であることに対して誇りを持つ、生理があって子供が産める、この体って素晴らしい、みたいな教育がまずされていないというところと、

あとセックスに関して、体に関しての話が、やっぱりすごくタブー視されがち。そうなってくると当然なんですけれども、メディアで性犯罪性被害の話はすごくしづらいですよね。やっぱりこうなんとなくモヤモヤして気持ち悪い、答えが出ない。

そして救われない話が本当に多いので、そうなると日本の「臭いものには蓋を」文化で、じゃあ今回取り上げるのやめとこうか、

今回の法案もまさにそうだと思います。テレビで大きく取り上げられることはなかなかないのはそこだと思うんですよね。

このお話を取り上げるにはやっぱり、蓋をした部分をしっかり開いて臭いをしっかり嗅いで、こういうことがあるということを、

今日の皆さんも、本当に初めて知ったというふうにおっしゃってる方 いらっしゃいましたけれども、こういう会話をどんどんしていくことがすごく大事であって、

こういう会話を海外ではされているんだなというのを私はいろいろリサーチする中で本当に感じることが多いです。

先ほどからお伝えしているように、(海外には)いろんな数字が出てくる確率論ですとか、統計みたいなものが本当にたくさんあるので、比べやすい。そしてそこに被害があるという実態がすごく目に見えて分かりやすい。

日本はなんとなくすごく安全で性犯罪とかって海外に比べると少ないよねというふうに思われている方、特にごめんなさい、また男性の方に多いと思うんですけれども、

これはやっぱり女性のいろんな抑圧ですとかそういう被害にあった人たちが、それが言えない空気、MeTooが世界的に広がった時も、日本だけは全くMeTooが広がらなかった。

これ実はBBCでも取材を受けてるんですけれども、なぜ日本でMeTooが広がらないか。まだまだTwitter上で匿名でもMeTooということが言えない空気が日本にはあるんですよね。

こういう空気をやっぱり払拭するためには、まずはやっぱり大人たち政治家たち、先生たち、警察官たち、人に何かしら影響を与える人たちが包括的な性教育を理解して、性的同意を理解して、

そしてジェンダーに関わらず、みんなの全員平等とそしてリスペクトというものを進めていかないと、この性教育というとやっぱりどうしてもそのセックスとか体の話というふうに思われることが多いんですけども、全部根底でつながっていると思うので。

文化を変えるためにはまずはやっぱり大人たちがもっともっとこれはいけないということを話をすること、こういう会話がされること、そういうことが起きていくと、どんどんテレビでもメディアでも取り上げられやすくなると思いますし、

皆さんもお家にこういう会話を持って帰って家庭の中でもこういう話をしやすくなるのかなと思います。

ちょっとお答えになったかわからないんですけれども、正直ちょっとあのスタートラインにもまだ立ててないというのが私の個人的な感覚です。

あとがき

「性的同意」「YES means YES」なんてことになったら、誰もSEXなんてできない!少子化加速だなwwwととのたまう人(主に男性)が少なくない、むしろ多いように思います。

「SEXできないんじゃ、付き合った意味がない」という男性(年齢問わず。高校生からもこのような発言が出てくる)が多く。恋愛イコール性行為をいつでもできる権利を得たかのように思っている人が多い。

そういうのはどう考えても、「女性の生身の身体をつかった自慰行為がしたい」「レイプ行為がしたい」だけであり、SEXではないと思うのですが、ね。

これもまたAVの影響や性教育がないこととも関係していると思っています。

 

でもまずは、とにかく被害者を守るための法整備、そして法をつかさどる側に対する性教育。セカンドレイプが起きないように。どんなことがあってもダメなものはダメ、性犯罪を犯していい理由なんてない、というのを徹底させること。

そして、大人が未成年に手を出そうとすることそのものが「最高に気持ち悪い行為」なのだという雰囲気ができればいいなと思います。13歳→16歳ではなく、個人的には18歳~20歳ぐらいまで引き上げても問題ないと思っています。

 

……日本がそのようになるのは、一体いつのことになるのでしょうね……。


アカウントを作成 して、もっと沢山の記事を読みませんか?


この記事が気に入ったら ぴくと さんを応援しませんか?
メッセージを添えてチップを送ることができます。


この記事にコメントをしてみませんか?


政治的・社会的な事の備忘録。

おすすめの記事