人生で一番泣いた授業（台本）

タイトルコール：人生で、一番泣いた授業

●タイトル画面

ーーその先生は、いわゆる哲学を教える先生だったが･･････

教え方がいつも独特で、生徒の評判はまり良くないようだった。
（一人称。とある生徒の視点）


●SE　教室内のざわめき

男：「な、今晩どーするよ。街とか行っちゃう？」（軽薄な感じで）

女：「ちょっと、授業中だよ。静かにしなよ」（少し怒った感じで）

男：「へーきだって。ほら、なんも言わずに黙ってるじゃん。まだなんか準備してるんだよ」


その先生は、教壇に立ち、前を向いたまま･･････一言も語らずにじっと黙ったままだった。


男：「･･････ってわけでさ！その時のあいつが本当にマジでビビっててさー！もー本当に何回思い出しても笑うわー」

女：「いや･･････それよりもさ、なんか変じゃない？なんで先生ずっと黙ってるんだろ･･････」


違和感に気づいた者から少しずつ･････１０分･･････２０分と経過した頃･･････異常事態に気づいた生徒達は口をつぐんでいき･･････。
やがて、教室の中を静寂が支配した。

そして、先生が不意に口を開く。


先生：「沈黙にも意思がある」（静かな口調で）


ーー！！
（息の呑む感じに）



先生：「今日はそれを皆さんにお伝えしました。ではまた次回」


それだけ言って･･････本当にそれだけで、先生は教室を出て行ってしまった。


男：「･･････ま、なんか良く分かんなかったけど。早めに終わってラッキー！」

女：「あれ？君はなんで泣いてるの？」

生徒：「あ･･････いや･･････なんでもない」



友達には、その時･･････泣いた理由を言わなかった。

たぶん･･････これからも、言わない気がする。

言葉にすると、何か違うものになる気がしたから。



end

【ＣＡＳＴ】
生徒：えむけーさん
https://twitter.com/mkBaritonevoice?s=20&t=gHnh7oua22TBvd2AYwyZ9w
先生：さわろうさん
https://twitter.com/sawaro_nemuvo?s=20&t=gHnh7oua22TBvd2AYwyZ9w
男：きたぐに夫婦おにーさん
女：きたぐに夫婦えーこさん
https://twitter.com/kitagunifufu?s=20&t=gHnh7oua22TBvd2AYwyZ9w

というわけで「３０秒ドラマ」
記念すべき第一回の台本ですね笑


これは僕が実際に体験した大学生時代の授業なのですが･･････今でも強烈に頭の中に残っている記憶なんですよね。
創作としてのドラマ台本にこれを持ってくるべきなのかどうなのか･･････
少し悩んだのですが。

僕は創作って結局「自分」を掘り下げる行為である気がしています。

なので、どこかで出してみたかったこの体験を出してみる事にしました。

ここでは今後この「３０秒ドラマ」の台本を時間のある時に書いていきたいと思います。

共感できるものも、またまるで意味の分からないものもあるかもしれませんが･･････

どうぞご自由にお楽しみいただけると幸いです。