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魅惑のエレベーター(台本)

魅惑のエレベーター(台本)


男:エレベーターに
 ズバリ、好みの女の子が乗ってきた


●タイトル表示

●BGM 落ち着いた感じのもの

男:「あ、上に行きます。何階ですか?」

女:「13階です」

男:「はい」

女:「あの・・・・・・あたしの事、おぼえてないですよね?」

男:「え?あ・・・・・・すみません、どこかでお会いしましたか?」

女:「部署は違うんですけど・・・・・・前されてた会議のプレゼンを見てまして」

男:「あーそうなんですか。ごめんなさい。あなたみたいに美人な人、見落としてて。ははは」

  (軽口を叩く感じで)

女:「そんな・・・・・・あの、あたしも・・・・・・かっこいい人だなーって・・・・・・」
  (少し照れた様子で)

男:「本当ですか?嬉しいなぁ」

男:(先週のプレゼンかな?アレめっちゃ頑張ったからなぁ!資料徹夜で作って良かったー!)

女:「なんか・・・・・・エレベーターって・・・・・・ドキドキしますよね・・・・・・」
  (しっとりと、色っぽく)

男:そう言って彼女は僕にしなだれかかってきた。
  おお!?これいけるじゃん!ラッキー!!
  そして俺は彼女のうるんだ瞳を見つめながら、その唇へと顔を近づけーー

●SE チーン!(エレベーターの到着音)

男:彼女はするりと俺の身体をよけ、エレベーターから出る。そしてスマホで誰かと通話し始めた。

女:「あ、奥さんですか?セキララ探偵社の関です。やっぱり旦那さん、黒ですねー。ほんのちょっと誘惑しただけですーぐ乗って来ちゃいました」

男:「・・・・・・え・・・・・・?」

女:「あー・・・・・・そんなわけなんで、後は帰宅後に奥さんとお話されてください。ちなみに私、既婚者なのに他の女に手を出すような男は論外なので」

●エレベーターのドアの音

男:エレベーターのドアが閉まる。

男:そして、俺はエレベータと共に・・・・・・どこまでも下へと落ちていった・・・・・・。


【CAST】
男:

女:



いわゆるハニートラップですよね笑

この作品は僕が尊敬する作家さんのお一人、木下半太さんの「悪夢のエレベーター」を読んで思いついたものです。
あの作品を知っている方にはなんとなくお分かりいただけたかと。

いやーもちろん、あの作品の素晴らしさには遠く及ばないわけなんですが・・・・・・本当に木下さんの作品って臨場感が凄いんですよね。

エレベーターという外界から閉ざされた密室。
その奇妙な空間の空気感を少しでも表現できていたなら幸いです。


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元小説家。ネットに連載した小説が元で100人以上の警察官が出動する大事件に巻き込まれて引退。

現在はラジオ活動で再スタート。

第4回ラジオスターオーディション優勝。
企業からCM案件などをいただきプロモーション事業にも携わる。

現在は「2分20秒ドラマ」という声劇のプロデューサーを開始。
その台本をこちらで書いていきます。

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